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春 IV
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「お、ついたぞ。ここがお前が今日から3年間過ごす寮だ」
「えっマジで?超ウケる」
「は?」
「何でもないです」
おっと、俺としたことが、無駄にデカすぎる建物を目の前にして咄嗟に下町のJKの様な反応をしてしまったぜ!
···いやだってこれもうこれ三星ホテルとか言われても気づかないぞ···?
あれじゃん、東京とかそういう所にある感じのそれでしょ!三ツ星ホテルも東京のホテルも知らないけど。
「お、おう。じゃ、俺はお前の部屋番号聞いてくるから、適当にそこら辺で待っといてくれ」
「はーい」
言われた通りに待つ。暫くすると、建物の中から、山田先生と誰かが言い合っているような声が聞こえてきた。
「──知ってるだろ?!──は、───!」
え、なに?修羅場??
チラっと中を見ると先生は険しい顔をして、どうやらなにかに対して怒っているようだった。
も、もし俺が原因とかだったらどうしよう···
俺なんかしたっけ??ま、まさか荷物のなかに何かあったとか?いやそんなことは無い···と思いたい。
と、とにかく話を聞いてみよう!そうそう!別に俺の話って決まったわけじゃないしな!もし俺を牢屋にぶち込む系の話をしていたらそ見つかる前にとりあえずダッシュで愛しの我が家まで帰ろう!そうしよう!
「だからってなんであいつの部屋なんだよ!」
「だっ、だだだから、部屋が、たり、なくてですよぅ!」
話が聞こえる場所までそっと近づくと、どうやら誰かの部屋について言い争っているようだ。
まあこんな変な時期に越してくるんだから外部生、つまり俺の部屋についてだろう。
···別に悪いことしたわけじゃないっぽいし...大丈夫だよな?
「はぁ···おい前川」
諦めた様子の先生が俺を呼びに外に出ようとするが、ドアの前にいたの俺を見て「待っとけっていただろ」とため息をつく。それからおいでおいでと、手で俺を招いた。
お、おいでおいでって高校生相手にこのオッサン···ちょっとキュンとするだろ···
「何頬赤らめてんだこら」
「照れちゃいますぅ」
「はあ」
へへっと笑いながら先生の元へ行くと、山田先生は少しだけ話しにくそうに口篭るり、「お前の寮の部屋、例の外部生と同室になった」と言って、また大きくため息をついた。
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