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春 Ⅷ
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あれから俺は、“何故かモジャモジャのヅラと瓶底メガネをつけた花ノ下“に連れられ、職員室にやってきた。
俺は正直な男なので、横でモサモサやられるとすごく不愉快なのでやめてって言ったら、花ノ下はすごい悲しそうな顔をして「お、俺だってやめたいんだ!!でもダメなんだよ···!」と言って項垂れてしまったので、何故かこっちが申し訳なくなった。複雑な家庭なのかな。どうでもいいけど。
「おー前川来たか···って、なんで花ノ下もいるんだよ」
職員室から出てきた山田先生は、俺の隣にいる花ノ下を見て大きなため息をついた。
なんかすげえ顔色になってる。やはり花ノ下は山田先生のストレスの原因らしい。
「なんでってそんなの俺と前川が親友だからに決まってるだろッ!」
えっへんと胸を張って宣言した花ノ下。
······え?いやいやそんなの初めて聞きましたけど。というより親友ってのはもっと段階を踏んでなるもんじゃないの?
ダメだ···俺の中に例が無いからわからな·····
オーーイ誰だ俺のこと今ぼっちって言ったやつーー出てこーーい今ならデコピンで許してあげるから!
オホン、ていうかいい加減手を離して欲しい。力強すぎて腕引き千切れそう。
まじでこれ絶対痕出来てる。いや見られる相手もいないしどうでもいいけどさ···うん。自分で言っててちょっと悲しいや
「···とりあえず、花ノ下は先に教室にいけ」
「な、なんでだよ!」
「前川には今から色々と説明しなきゃいけねぇことがあんだよ、あとから連れてくから、ほら、しっしっ!」
「やだよ!!なあ、前川も俺と離れたくないよな?!」
「いや別に···俺話聞かなきゃダメだし」
「なんでだよッ!!俺達友達だろ?!」
「ん、んー···???」
話が噛み合わなさ過ぎて会話が成立しないんだけど···?こいつ宇宙人かなんかじゃね···?
宇宙人の友達の摂理とか知らないけどそっちの方がやっていけそうだぞ
なんとなく先生の顔を見上げると「お前がなんとかしろ」みたいな顔で俺を見ていた。
おのれ···こういう所は普通は教師がやる所だろ!プンプン!
「なあ花ノ下、えっとー···お、俺のためにも先に教室行ってくんね?お願い···!」
顔の間で大袈裟に手を合わせ、少し顔を下げる。
うわーー!だいぶキショいぞ俺!でも我慢だ!こいつが今俺のことを親友だと思ってるなら···
チラリと花ノ下を見上げると、「───ッ!しょうがないなぁ!ま、前川の為だもんな!!」と言って顔を真っ赤にして廊下を走り去っていった。なんなんだ···
「なんというか、嵐のようなやつですね···日常会話だけでこんなに疲れるのか···」
「お前は今日からその嵐と生活を共にするんだ、気合い入れろよ」
「えぇ。無理。まぢ萎えぽよなんですけど」
「じゃあとりあえずこの学園の簡単な説明するからこっち入れ」
「か、華麗なスルー!そんな山田センセーも好き!」
「はいはい」
このセンセーだんだん俺の扱いが雑になってきたぞ。
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