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友情 Ⅲ
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「前川!もしかして帰ってんのか!?···って、ま、まえかわ···!?」
どうにか首だけを動かしてリビングの入口を見る。
するとそこにはモジャモジャの頭に瓶底メガネの花ノ下の姿。
そして花ノ下は、誤解しか招かなさそうな体制の俺達を見て不思議そうな顔をした後、次の瞬間には顔を真っ青にしてこちらに向かってきた。
「お、おい!お前!!前川からどけよ!!」
花ノ下グッジョブ!いい子だ!その調子でこの魔王をどうにかしてくれ!
「チッ」
上から聞こえた舌打ちは無視しよう。
「お、お前、前川に何してんだよ!」
「やだなあ、勘違いしないで下さいよ。襲ってきたのは前川君ですよ?」
ワッツ!?何言ってんだこいつ!どう考えてもお前がマウント取ってんのは一目瞭然だろうがコンチクショー!
「えっ!!!そうなのか前川!???!」
「ちちちちちゃうわ!」
「違うって言ってるぞ!!」
「まあ違いますけどね。つうか、花ノ下さんには関係ないでしょ?」
「なっ···!関係なくない!俺と前川は···し、親友だからなッ!!」
違うけどな。
「うっそだぁ、前川君は俺しか友達いないよ」
「おいまてどういうことだそれ!」
「そのまんまだよ」
ぐぅ···!割とこの場ではその通りだから何も言えねぇや···!
だって、中学の頃なんて、なんか俺が話しかけるとみんな青い顔して逃げてくんだよ?···ハッ!もしかしてなんか霊的なものでも憑いてんるんじゃ···!?
「姫?…貴方達、ここで何をしているんです?」
勝手に自分で立てた仮設に自分で勝手に身震いしていると、また新たな訪問者がやってきた。なんだなんだ、随分と賑やかな部屋だな。
「あ、陸斗!」
お前のは···!いつぞやのインテリ眼鏡じゃないか!
ふむ。どうやらあの変態の名前は陸斗というらしい。····ん?というか、花ノ下はなんで自分を強姦しようとした相手と普通に接してるの?
普通トラウマは不回避じゃないんすかね···?馬鹿なのか淡白なのかビッチなのか···まあ多分こいつの場合確実にただの馬鹿なんだろうけど。
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