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親睦
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場所は変わって1年寮の談話室。
食堂では高い金を払ったにも関わらず食べそびれたため、寮一階のスーパーで買ったカップ麺を3人で食べ直すことにした。
いやあ、実に沁みる味である。
まさかこんな金持ち学校にカップラーメンがあるだなんてなあ···感謝感激雨あられ。
「ん、···でさあ、誰なの?あのモジャ毛」
「花ノ下姫。最近2-Bに転入してきたんだよ」
「はーそんな奴が来てたんだなあ」
「ホント今までどこにいたわけ?」
「んー····毛ほどの興味もなかったというか。ね?」
「えらく辛辣だなオイ」
言ってることとは裏腹にニコニコしながら横でラーメンを啜る高見くん。
なんだなんだ。ウェーイ!みんな仲良し!フウー!みたいなキャラだと思っていたのだが。こいつ実はウェイじゃないのか。
「だってー!俺のお友達をいじめたんだよ?許せないじゃん!!」
「た、高見くん···抱いて····!」
「あっごめん。ボンキュッボンになってくれたら考える」
ハッ!······こいつ···ノンケだ···!
俺はしずかに高見くんを見つめると、無言で右手拳を前に突き出す。すると高見くんもフッと笑い、ゆっくり俺の右手拳に向けて自分の拳を突き出した。
そんな俺らの会話に呆れた広海は、無駄にデカいため息をつくと、俺の足をバカスコ蹴ってきた。
痛い痛い。拗ねんなって。
あっ痛!?え?!俺の心の声漏れてるの?!
「いってて···ていうかさ、高見くんってほんとに普段何してんの?」
広海の猛攻防ぎながら、顔の前で手を合わせごちそうさまをしている高見くんを見つめた。
頭の先からつま先まで、謎に包まれた変人。あとノンケ(?)。
それが俺の現在の高見くんへの見方。
「あー···俺はね、頭がチョーいいから。別にそんなに授業でなくていいんだよね。だから基本保健室で寝てるか適当にぶらついてる」
「··········え、頭いいの?」
「まあテストは大体90点台くらい。授業態度と意欲関心の欄が悪いからAクラスはダメらしいよ。まあ正直クラスとかどうでもいいけど」
結局行かないし!と笑う高見くん。そしてそれに反して歪む俺の顔。
────···まじで?こいつ本当に俺より頭いいの??これが??アッパラパーの塊みたいなこいつが??
「酷い!」
「あっ声出てた?」
「偉そうに言ってるけど宗太もアッパラパーなの気づいてる?」
「うるせえ!俺は常識人だ!」
はいはいソーダネ。と軽くあしらわれてイラッとする。大体、広海だって赤点組だろう。何を偉そうに。
「あ、それよりさそれよりさ!宗太くんはBクラスなんだよね?」
「ん、そーだけど」
「じゃあ俺明日からちゃんと行こっかな」
「いや普通に来いよ」
でも突然なんで?と高見くんを見ると、高見くんは少し気恥しそうに目を落として、
「宗太くんと、広海くん、2人も友達できたし。···へへ」
と、頬を指で掻きながら笑った。
──────···高見くん!!
「·······お前いいやつだな····宗太でいいよ、こいつも広海でいいよ」
「は?何勝手に···まあ、別にいいけど」
「ほ、ほんと?俺も、べつに好きに呼んでいいから!」
「じゃあ高見で。改めてよろしくな」
「おう───!」
そうしてガシリと腕を掴み合い暑い友情を誓い合った俺達(広海は除く。この薄情者。)は、綺麗にたいらげたカップ麺をこりゃまた綺麗に片付け、また明日と各々帰路についた。
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