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出会い Ⅰ
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「ん...」
カーテンから漏れた陽の光がまだ覚醒しきっていない寝ぼけた顔を照らす。眩しさにたじろいて布団を顔までかぶる。
─────朝に····なってしまった·····
混沌の中心に放り出された様なモヤモヤとした気持ちが足元から這い上がる。布団から顔を出し、寝返りを打つ。すると、目の前には、無駄に整った顔。
「おはよ」
「夢であって欲しかった」
「なに?ノーリアクション?」
「いや、ノーシンキング」
朝なんだからちゃんと頭使いなよ、と言ってモゾモゾと動く広海。
なんというか、こういうことは中学の頃も多かったので慣れた。いや、慣れても全然嬉しくないけど、慣れてしまった。
「ふあ····今何時?」
「8時半」
「···········登校時間何時だっけ?」
「8時半まで」
─────キーンコーンカーンコーン
「ばッッッかお前なんで起こさないんだよ!!」
バッと布団をどかして急いで着替え始める。よく見ると広海はもう制服を着ている。
「いやぁ眠ってる宗太の顔があまりにもまぬけで」
「お前なぁーー!!」
ムカつく広海に枕を投げつけ、無造作に制服を着たまま洗面所に向かう。花ノ下の姿はないし、昨日と部屋が何も変わってないのを見ると、ここに帰ってきてはいないのかもしれない。
「心配しなくても宗太の顔なんか誰も見ないよ?」
「黙ってろ!最低限のマナーだろ!!」
適当にブラッシングして顔を洗う。見れるくらいになったら急いでリュックに荷物を詰め込んで玄関に向かう。
「いってきます!!」
「いてきまー」
勢いよくドアを開けると、途端、ガコンと痛い音が廊下に響いた。
「痛い!!」
「な、なに?!って、そんな所でなにしてんだよ高見·······」
「うう····もー宗太おっそーい友士ずっと待ってたんだぞ!」
後頭部を抑えて涙目で俺を見上げる高見。
「いやインターホン鳴らせよ!」
「いや鳴らしたし!でも丁度12回目に広海が出てきて『うるさいんだけどやめてもらえる?迷惑』って言われたんだよ?!酷くない?!」
「だってうるさかったし」
「うおおおい!もういいから早く行くぞ!!普通に遅刻してるから!!」
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