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会長様と
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「·······お前こんな所で何してんだ」
「いやあ···生徒会室って勝手に入っていいもんなのかと思って····」
「だからってドアの前で突っ立って待つ馬鹿がいるか?邪魔だからどけ」
そう言ってあからさまに呆れた顔をした会長は生徒会室のドアを雑に開け、目を合わせずに「どうぞ」と俺を招き入れた。
「お、おじゃましマース···」
ゆっくり中に入り周りを見渡す。
なんというか····すごく、汚い。
全体的にゴチャゴチャしてて、····あれだ。よくテレビで見るゴミ屋敷みたい。
こんな汚くていいのかと困惑する俺を尻目に、会長は恐らく自分の席であろう机の上に散らばる書類を乱暴にかき寄せ、空いた空間に鞄を置きどっかりと椅子に腰を下ろした。
俺はドアの前に突っ立ったまま、なんとなくその動きを眺めている。すると、椅子に座った会長と目が合った。
「───で、お前理事長に何言われた?」
「んえ···?あ、いや、···特には」
「なんも無かったらアイツがマリモと俺以外にわざわざあの部屋に入れる訳ねぇだろーが」
なんでもいいから話せ、と言って偉そうに舌打ちをする会長に渾身のパンチを御見舞してやりたくなる。
普通さあ·····頼むにしてももうちょっと態度ってもんをだなあ····
「·····あっ、そういや“この学園の危機に自分達教師は手を出すつもりは無い。生徒達だけでどうにかしろ”的なことを言ってま」
した。と言い切る前に、椅子に座っていた会長が「はぁ!?」と大きな声を上げて立ち上がった。
え?何?こわいこわい
「ひっ、」
「···分かってるだって?知ってたのかあのジジイ···───はは、そうかそうか···チッ」
会長は立ったまま一人で何かをブツブツと呟いていた。
俺がその姿にぽかんと口を開けて驚いてると、また突然「クソが!」と大声を上げ、蛍光灯の光を受けきらきらと綺麗に輝く金色の髪を両手で乱暴に掻き混ぜると、こちらをきっと睨みつけた。
そして、また暫くあとに諦めたように大きくため息をついて「取り乱した。すまん」と謝ってきた。
「····まあ、もうそのことはいい。それよりお前あのクソマリ···花ノ下姫とどういう関係なんだ?」
「どうって言われましても」
───花ノ下のあれはストーカーでいいのか···?
いや、俺が被害者なのは間違いないんだが。ていうか花ノ下は俺以外にもつけ回ってるらしいし、別に俺のストーカーではないのか。
いや、じゃあ何なんだ?あいつは何者なんだ?
「うーんと、俺がミミズであいつが鳥?いやこれもなんか違うな····」
「あーーーつまりあれか?お前が高尾太夫でヤツが伊達綱宗か」
会長は腕を打ってなるほどな、と納得する、が、悪いけれどそれは俺が逆に分からない。
まず誰だ高尾太夫。生憎俺の頭では某お笑い芸人のコウメ太夫しか出てこない。絶対違うだろコウメ太夫。いったい誰なんだ高尾太夫····!!
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