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考慮すべき世間体
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とりあえず、ヤクザ改め竹垣、さん?を柏原さんのお部屋に放置し、俺と柏原さんは俺の部屋に移った。
俺と柏原さん→203号室。
竹垣さん→202号室。
まぁ、部屋を移っても壁は相変わらず薄いのであまり意味はないんですけど。
「あのさ、悠介くん。さっきの人・・・手当てしてる時も思ったんだけど・・・ソッチの筋の人だよね」
珍しく、俺の名前をしっかりと呼んで、柏原さんは言った。
「はぁ・・・元々はですけど・・・」
「そういえば一応抜けてきたんだっけ・・・でもさ、悠介くん」
向かい合った状態で柏原さんは俺の目をまっすぐ見つめながら話す。
心底心配そうに。
「でも、悠介くんにはもう、関係ないんでしょ?もう関わらない方がいいよ」
まぁ、その通りだしな。
こっちもそのつもりだったけど。
柏原さんは俺が突如として交際を迫られたことは知らないから、本当にこれ以上何もないと思って話してくれている。
俺も交際なんて冗談じゃないから、全くもって同意見だ。
「例え『元』でも・・・悠介くんに何かあったら大変じゃない」
「そうなんですよね。もちろん、金輪際関わらないつもりですけど」
・・・でも俺も鬼じゃない。
俺に関わりたいがために、瀕死になるまでのケガをしたこの不器用な馬鹿すぎる人を、
・・・まぁ、ケガが治るまでは看病くらいはしてあげようかな、と。
そんなことを、202号室に戻って、痛そうにしているその、俺よりもはるかに強そうで体格のいい大人を見ながら思った。
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