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味方?何それ美味しいの?
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まさかの隣人に軽く犯されるという、人生にそうないであろうビッグイベントを体験してしまった俺は、ヘロヘロになりながら自室に戻った。
何だか体中だるくてやる気も起こらない。
まあ最近めっきりご無沙汰だったのに突然二回も連続でされたらそうなるだろう。
というか解放されたことが奇跡みたいに思える。
家に帰れないんじゃないかと危惧していたからな。
ただいま我が家。
これからしばらく引きこもりたい所存。
そのまま、玄関開けたら即布団、というサトウもビックリのスマートさを見せつけ、俺は癒しを求めてダイブした。
身体が布団に沈み込んでいくような気がして、このまま俺は死ぬんじゃないかと錯覚してしまう。
もちろんそんなことはあるわけがなく。
「・・・早かったな、おかえり」
「あぁ・・・うん・・・」
ベランダから洋服を抱えて戻って来た久我さんと一言二言交わす。
洗濯物を片付けておいてくれていたらしい。
本当に家事をしてくれているんだなあと、妙に感慨深く思える。
「・・・どうした?疲れてるみたいだが」
久我さんが俺に近付いてくる。
洗濯物を脇に置いて、布団に沈み込む俺にそっと訊いてくる。
「いや、大丈夫、だから。学校が忙しかっただけだから・・・」
身体で抵抗することも何だか煩わしい。
顔だけそっちを向いてお断りをいれるのが精一杯。
というか、正直に言えるわけない。
どう言えばいいんだよ。
実はさー、お隣さんに抜かれたんだよー、まいっちゃうねー!
そんな発言ができる人間なら、今こんな状況になってないだろう。
参っちゃうね、で済むか馬鹿。
「でも顔赤いぞ、お前。熱でもあるんじゃねえのか?」
しかしながら、この世に存在するのであろう『お約束』を、この人は律儀にもしっかりと回収していくのであった。
久我さんの手が俺の身体に触れた。
「ひぁッ!!?」
途端、声が弾ける。
「っ!!どうした・・・?」
「い、いや・・・」
身体が過敏になっているらしい。
急いで口を両手で覆ったが、明らかな異変を見せる俺に久我さんは心底心配そうな表情を向ける。
そらそうだ。
同居人が奇声を放ったらそうなるわ。
「ほ、ホントに何もないから・・・大丈夫だから・・・」
そう言って逃げ出そうとした俺を
「ちょっと待て・・・!」
止めようとした久我さんの手が
俺の腰に触れた瞬間。
「っあ!!?///」
ビリビリと身体を電気が駆け抜けた。
さっきされたことを思い出したかのように、身体に熱が集まってくる。
なんだこれ、なんだこれ・・・!?
混乱する俺の顔を、肩を掴んで強制的に覗き込んだ久我さんの目が見開かれていく。
その目の中に映っていたのは、
顔を赤く染め、目にいっぱいに涙を溜めた俺の姿だった。
「本当に何があった!?そんな顔する奴が大丈夫なワケないだろ!!何かあったんだろ?!話せ!全部俺に!!」
この人は本気で俺を心配してくれてる。
でも、だからこそ、言えるわけないだろ・・・。
「何でも、ない・・・」
「何でもないワケ・・・」
何でもない。
ただ少し、怖かっただけだ。
今までずっと優しかったお隣さんが突然あんなことするから。
怖かっただけだ。
柏原さんが。
自分が。
久我さんは最初のあの一件以降、特に危害を加えてくることもなかった。
だから安心していた。
それが思わぬところから思わぬ行動を起こされてしまったのだから、混乱しない方が難しい。
「い、今は・・・一人にしてほしい・・・」
ぎりぎり。
辛うじて絞り出した声は情けなくて。
それでも久我さんはそれ以上俺に追究することなく、俺を部屋に残して家を出て行ったのだった。
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