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友達100人できるかな?のポップな無謀さたるや
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正直、こういう行事の時のホテルなんてほとんど期待してなかったんだけど(そういう業種の方々にはこの言葉を送ります。陳謝(ちんしゃ))
このホテルは思ったよりも高ランクだった。
部屋も広いし、綺麗だし。
旅館というよりホテル!って感じの新しくてきれいな、ビルみたいな外装の建物の中に収まっているのがたくさんの客室と(全部で8階建てだそうだ。ちなみに客室は和洋どっちもあって、俺らは和。女子チームは洋に振られているらしい)大浴場(露天風呂付)、プレイルームなる、卓球台などが設置された部屋やカラオケルーム、マンガルームなど・・・。
かなりしっかりとしたホテルだった。
とはいえ、一般のお客さんもいるので俺たちの行動が許されているのは、時間指定のキッチリしている大浴場、自分たちの客室(同性の部屋であれば自由時間内は移動OK)、自分たちの階にある自動販売機くらいなものだ。
前にも言ったけど女子と男子で階が違うため、異性と交流することはない。
女子部屋に遊びに行くこともなければ、遊びに来ることもないのである。
まあその辺りは、ハナから期待していないが。
いや、金下はちょっと凹んでたけど。
しおりに書いてあったろ、ちゃんと読め。
俺は事前に凹んでいるので、今更ダメージは無い。
ここで、今日一日行動を共にした宮井&金下ペアとはしばしのお別れである。
明日の朝ごはんは一緒。
ホテル前で再度主に行儀に対する注意を受けてから、ホテル内へ。
ホテルのフロントから大広間へ移動し、そこで再度入浴の時間や、さっき言った立ち入り可能不可能の場所の再確認。
その他諸注意を受けてから、後はペア行動だ。
それにしても二人部屋とは。
こういうのって大部屋に放り込まれたり、少なくとも四、五人は突っ込まれるものだと思ってたからびっくりだ。
女子の方が階が上(6階~8階)のため、女子は荷物ともどもエレベーターで上の階へ。
男どもは文句を言いながらも荷物を抱えて階段を上ることとなった。
まあ3階の面々はまだ良いだろうけど、俺らは5階である。
殺す気だろうか。
それでもヒイヒイ言いながら地獄の5階チームも無事に部屋に到着。
俺らは渡されたルームキーを使って、部屋の中へなだれ込んだ。
<***>
508号室。
俺とやたの部屋。
聞いていた通り、部屋は和室で二人部屋にしては広め。
洗面台と浴室もあって、押し入れには浴衣と布団(セルフ)。
畳の間の上にちゃぶ台(?)があって、お茶(どうやら緑茶らしい)とお茶菓子。
さて、ここからの自由時間。
まずは飯前の風呂。
これは時間が決められている固定イベント。
その後の飯。これも固定イベント。
自由なのは今から風呂までの2時間弱と、飯後のお楽しみ会みたいなやつの後だけになる。
「なあやたー、お前さあ」
「なんや・・・って」
やたが一瞬で俺の方に向けかけていた首を正面に戻す。
痛そう。
「な、なんで服脱いでんねん・・・!!」
「え、だってこの後風呂だろ?先に着替えておいた方が荷物減らせるだろ」
「ッ・・・あぁそう・・・好きにしたらええわ」
やたは耳を赤くしながら頭を抱えていた。
「・・・今日一日大丈夫やろか・・・」
そんな声が聞こえてきたが、俺はスルーする。
「でさー、お前この後どうすんの?」
「あ・・・?」
俺は備え付けの浴衣をサクッと着た後(柏原さんに昔着方を教わったことがある。この程度の簡単なものならちゃんと着られる)、やたの方を見る。
やたもようやく俺の方をちゃんと見た。
「どうするって・・・部屋におるけど」
「やっぱそうだよなー、そういうと思った。別の部屋に遊びに行くとか微塵も考えてなさそう」
「どういう意味やねん」
折角他の人たちと話すのも慣れてきたのに、もったいないというか。
今のこのイベント熱というか、ちょっとした祭り状態に乗じて、他の友達を増やせるんじゃないかという目論見が俺にはある。
「な?ちょっと他の奴のところに行ってみようぜ?」
「・・・いや、ええわ。お前ひとりで行ってこいや」
「え~~~そう言わずにさあ」
そんなやり取りを続けていると、部屋のドアがノックされた。
部屋のドアを開けると、そこには隣の部屋の苗村が立っている。
「おー、どした?」
「風呂までの間、部屋に集まらねえかって話になって」
これは神様の思し召しよ。
この機に乗じるしかあるまい。
「ちょうどよかった、俺らもそっち行こうとしてたんだわ」
俺はやたを振り返りながら応える。
「い、いや、俺は・・・」
まだ反応の悪いやたに苦笑しつつ
「すぐ行くから部屋にいてくれよ」
そう伝えて、ドアが閉まるのを待った。
「ほら、向こうから来てくれたし行くぞ」
いまだに渋い顔をしているやただが、それでも
「じゃあ俺先行くからな?後から入ってくる方が気まずいと思うぞ」
という脅し文句で、渋い顔のままついてきた。
素直じゃない。
今更だけど。
<***>
「来たぞー」
「遅いぞーってかもう着替えてるのかよw」
「おう風呂入る気満々」
隣の部屋にはその部屋の主である苗村と廣坂、それとその隣の部屋の深澤と沼瀬がいた。
ということは風呂に入るメンバー勢揃いということになる。
「とりあえず風呂に入る時間までUN●するか!!」
誰だUN●持ってきたやつw
完全に遊ぶつもりでいやがる。
最初は普通に遊んでいたカードゲームも時間と共にどんどん白熱していく。
最終的には罰ゲームが付与されるようになった。
ちなみに罰ゲームは恥ずかしい秘密を暴露するかくすぐりの刑に遭うかだ。
俺は恥ずかしい秘密もクソもないので(大体が好きな子はだれか暴露する感じになるからである)、確定くすぐりの刑なのだが、俺はくすぐりにはめっぽうよわい。
ここは勝たないと。
「よし!!俺の勝ち!!」
最後の最後に勝ちを拾った俺だったが、すぐさま廣坂が
「はい!!UN●って言ってない~~~~~!!!!」
などと叫ぶ。
ああそういえば言ってない。
勝つのに必死になりすぎてた。
「じゃあ秘密かくすぐりかだな!」
苗村が楽しそうだ。
まあ俺がそのミスをしなければ負けてたのコイツだしな。
ちなみに苗村は図書委員の山本さんが好きなのではという噂があるので別に秘密暴露になってもさして面白みはないんだけどな。
「秘密とかねーよ、俺嘘つかない主義だから」
現在進行形で同居人がいることを隠している俺だが。
「じゃあくすぐりだな」
沼瀬が両手をワキワキさせながら近付いてくる。
その隣でその友達である深澤もニヤニヤしながら近付いてくる。
ちなみに深澤はさっき罰ゲームでこのくすぐりの刑に遭っている。
俺に腹いせをするつもりなのが明確。
なんて奴だ。
「ほら、東谷も!!」
廣坂がやたの腕を軽く引っ張って参戦させようとしている。
絶対に許さないからな、廣坂。
「い、いや別に俺は」
やたは困惑している。
まあそれもそうか。
「来るなら来い!!」
俺は男気を披露し(逃げても捕まるので)、部屋の真ん中に立つ。
そして東谷以外の男どもが俺に飛び掛かって(笑)来た時ふと思い出した。
これ、俺の火事場の馬鹿力、発生しないだろうか。
グッと瞑っていた目を薄く開けたその瞬間。
ああやっぱりか、と。
遠巻きに俺を見ていたやた以外のメンバーの目が完全に座っているというか。
ああ、何度か見たあの目だと。
気が付いた時には、苗村の手が俺の服の中に入ってきていた。
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