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1 2018年8月8日
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毎日が同じことの繰り返し。常識のない上司と、信用出来ない同僚。教えても、記憶力の悪い後輩。
お客に努めて柔らかい声と口調で電話対応し、自分の中でパターン化された回答を喋りながら、そっと目を伏せる。
こんな毎日、もう、嫌だ。
この空虚な感じは何なのか。何が足りていないのだろう。
「はい・・・、はい。いえ、とんでもない事でございます。・・・はい、また何かご不明な点がありましたら、お問い合わせください。・・・はい、ありがとうございました。」
無意識でも出てくる言葉。お客の電話の切る音を確認してから、そっと受話器を置く。ため息をそっと殺しながら、電話で途中になっていた仕事を再開した。
あぁ、もう、窒息しそうだ。やるべき仕事はまだたくさん残っているが、今日は見ないふりをして帰ろう。
ぬるくなったコーヒーを口に含み、時間を確認した。
うん。定時はとっくに過ぎている。帰ろう。
そう思って男は席を立った。
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