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おすすめの洋食屋は、会社の裏手にある。
こじんまりとした店で、入り口には男性も入りやすいように、カツカレーなど、がっつり目のメニューが目立つようにサンプルが置いてあるが、俺のおすすめはオムライスだ。
奥のテーブル席に誘導した俺は、笑顔でメニューを開くと手渡した。
「ここは何でも美味いし、値段の割にボリュームもある。好きなものを頼んで欲しい。」
「あ。その・・・、申し訳ないので、おれ。」
席に座って、お水まで出てきたので、もう逃げ出せない。
「これくらいのお礼はさせて下さい。改めて、俺は風見 暁と申します。」
「・・・かざみ、あかつきさん」
「はい、こう書きます。」
胸ポケットから名刺入れを出して、一枚渡す。
「・・・ライムコーポレーションの、かざみさん。」
ジッと渡した名刺を見る男性をにこやかに見つめる。
男性は視線を感じたのか顔を上げて、あたふたとポケットを叩き出す。
「あ!!!あ、あれ、おれ、名刺!?あっ!」
慌てて名刺入れを探すその姿が可愛くて、笑みがこぼれた。
「・・・あ、あった!すみません、まだ慣れないもので、失礼しました。おれ、いや、わたしは、篠崎司法書士事務所のすすす、杉 小夜と申します!」
直立してからの、90度お辞儀。
その、カチンコチンのロボットじみた動きに、思わず吹き出した。
「・・・ハハッ!!やめてください、会社じゃないんですから。すぎ、さやさん」
笑いながらも、丁寧に名刺を受け取る。
ますます真っ赤になった男性・・・杉 小夜さんは、可愛くて可愛くてたまらなかった。
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