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「小夜は、家、どこなの?」
駅の方向に向かって並んで歩きながら、俺より低い位置にある頭を見つめる。
「あ。〇〇駅のところです。」
「て、ことは〇〇線にのるの?」
「そうです。乗り換えしなくてもいいから、その沿線でアパート探したんです」
「へー・・・、俺、そのいっこさきの〇〇駅。時間合わせれば、いつでも一緒に帰れるな。」
びっくりしたように見上げたあと、「はい」と顔を赤らめて頷く小夜に笑顔を返し、やっぱりこれは運命的だと思った。
「そこのカフェに入ろうか?それともコーヒーは今度にして、今日はもう帰る?」
そういって小夜に帰るかと聞いたら、小夜の顔が一瞬暗くなった。帰りたくないと思ってくれているんだと気付いた。
素知らぬ顔をして「やっぱりコーヒー奢って貰おうかな」と伝えると、ぱっと小夜の表情が華やいだ。
・・・可愛い。
出会ってから、ほんの少ししか経っていないのに、こうも心を持っていかれるとは。自分自身に驚いた。
拾ってもらったパスケースは、一生大事にしようと思う。
「何にしますか?・・・じゃなくて、何に、する?」
デコピンの真似をすると、慌てて言い直す。その様子が、もう、可愛くてたまらなかった。
小さな唇が尖るのを見て、唇を啄ばみたい欲求に苛まれた。
相手はまだ若い男性だ。だけど、惹かれてやまない。不思議な感覚に、首を傾げた。小夜の純朴な感じと、時折見せる切ない顔が、俺の心をグイグイと持っていく。
風見はどんどん、小夜の不思議な魅力に魅了されていった。
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