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送ってくって、どういう意味だろう。同じ電車に乗って、電車の中で別れるんじゃなくて?
不思議に思いながら改札をくぐり、目的のホームへ並んで歩く。こんな時間なのに、人が多い。
都会、だなぁ。
こんな時間に帰るのは初めてで、でも多分、これも風見さんに言ったら、「また小夜のハジメテを貰った」って揶揄うんだろうなと思って、くすりと笑う。
「ん?どうしたの?」
首を傾げながら、優しく笑う風見さんに「んーん、何でもないです。」と答えると、ツンっとおでこを突っつかれた。
なんか、幸せ。
男の人にこんなされたら、普通嫌なはずなのに、すごく嬉しかった。
照れ隠しに、もぉっと文句を言いながらおでこを摩っていると、電車が入ってきた。
だいぶ慣れたけど、この風圧、ドキッとする。
長崎だとJRは始発駅であり、終着駅でもあるから、ゆっくり電車は入ってくるし、止まってるところからの出発だから、こんなに風を感じる事はない。ましてや路面電車はゆっくり走るから、こんなに風圧なんてこない。
一人だとどうしても怖くて、必ず誰かの後ろに並ぶようにしている事を風見さんに話すと、ヨシヨシと頭を撫でられた。
もぉっ、いまのヨシヨシは馬鹿にして子どもに対するヨシヨシだ、絶対!
・・・でも。やっぱり、嬉しい。
俯いて、ニヤニヤしてしまう口元を隠しながら、風見さんの後ろから電車に乗った。
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