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「次、です。」
入り口付近の吊革に並んでつかまりながら、小声でこそこそと話をしていたけど、あっという間におれの降りる駅になった。
・・・残念。なんだかこの時間が終わるのが寂しく仕方がなくて、ため息が出そうになる。
本当にまた、会ってくれるのかな。
不安になりながら、風見さんを見上げたところで、駅に着いた。笑顔でサヨナラをしようとしたら、背中を押されるようにして、電車を降ろされた。
「え。え、ええ?!風見さん、何で降りてるの?!」
「え、なんで?」
すでに走り去ってしまった電車と俺を見比べる小夜は、送っていくといっていた俺の言葉をスルーしていた事が判明した。
いや、普通はそうだよな。子どもでも、女性ってわけでもないんだから、普通は電車の中でバイバイだよな。
「こら、小夜。俺、送っていくって言っただろ?」
「え?だって、え?・・・ほんとに?」
「送ってく。小夜は、今度の休みっていつ?俺は基本、土日祝休みだけど。」
背中を抱くように押すと、困ったように眉を寄せながらも小夜は改札に向かって歩き出した。
「おれも、一緒。休み。・・・あ、こっち側の出口です。」
南A1。南A1。よし、覚えた。
「ほんとに送ってくれるの?結構歩くのに。」
「大丈夫。」
そういうとホッとする顔に好感を覚えた。
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