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21 2018年8月9日
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残念。会えなかった。
そりゃ、そうだよな。いっぱい電車はある。車両もたくさんある。
偶然を期待したけど、昨日の今日は無理だったらしい。
なんだか依存症になっているようだった。寂しさがいっぱいで、小夜に会えないなら、会社休んでしまおうかと一瞬よぎってしまう。
会えるかもと思って、会社に行くのが楽しみだと思ってしまったのに。
これって、なんなんだろ。小夜とずっと一緒に居たいんだよなぁ。
頭を撫でると、はにかむ様子が堪らない。揶揄(からか)うと、ぷうっと膨らむ頬も可愛かった。ゆっくりと考えながら話す、その口調ですら可愛く感じた。
「こんなに話したの久しぶりなんだ。」
そう言って笑った小夜の毎日が切なくて、一瞬抱きしめそうになった。
これって、好きって事だよな。
手離したくない、一緒にいたい、独占したい、会いたい、抱きしめたい。
つまり、好きって事だろう。
携帯を取り出して画面を開いた。
友だちの欄にある「杉」
小夜って名前、嫌いだって言ってたもんな。でも、俺には名前呼びを許してくれている。
ホームはタンポポの写真。
「タンポポ好きなの?」って聞いたら、「生命力強いらしいからリスペクト。」って笑っていた。
男とか女とか関係なく、小夜が欲しい。俺の事を小夜も好きになって欲しい。
こんなに夢中になったのは、初めてかも知れないと思うほど、欲しくて欲しくて堪らなかった。
トークをタップした。
偶然の出会いを期待できない。俺は、より確実な出会いの約束を取り付ける事にした。
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