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24 2018年8月18日 初デート
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あっという間の土曜日。
なんだかソワソワして、落ち着かない。
小夜は着ている服を見下ろすと、洋服屋さんでのことを思い出した。
あの約束をした日、お出かけするのに服がない事に気付いたおれは帰りがけに洋服屋さんに寄った。お店ではたくさん服が並んでいて、どれにしたらいいのか決めれなかった。
・・・おれ、決めるの本当に苦手。
風見さんと一緒に行った(ほぼ拉致られた)洋食屋さんでも、メニューを開いて見せてもらったけど、あんなにたくさんあったら決めれない。普段のおれなら、15分は悩む。
メニューを決めれないからという理由なのかもしれないけど、風見さんが好きなものを教えてくれたのが嬉しかった。
心が一歩近づく感じ。
風見さんの好きなもの。あの洋食屋さん、オムライス、ブラックのコーヒーに、猫。その中に、おれが入ってたら嬉しいな。
そういえば、パスケース、緑だった。
深い、緑。夏の緑、だと思った。
緑、好きなのかな。
そう思うと、洋服が緑しか目に入らなくなった。このままじゃ、全身緑になりそうで、困った。
ゴーヤじゃん。
変な組み合わせを手に持っているおれを哀れに思ったのか、店員さんが違う服を勧めてくれた。
「その緑のシャツにあわせるなら、こちらのパンツはいかがでしょう?」
試着して、店員さんから褒められたから、そのセットをそのまま買って帰った。
・・・本当に似合ってるかな。
玄関脇に置いた姿見で、何度目かのチェックをした。
髪型、爪、服、これにミニリュック、スニーカー・・・おかしくないよね?変じゃないよね?
コーディネイトに自信がないおれは、正直泣きそうだ。おれのせいで風見さんが恥ずかしい思いをしなきゃ良いけど。
いままで服装なんて気にした事無かったのに、気になって仕方がない。
時計を見た。もうすぐ11時。
もしかしたら、帰りうちに寄るかもと思って、部屋も片付けた。コーヒーも、一杯ずつドリップできるものを用意した。
・・・おかしくないよね?変じゃないよね?
部屋を確認して、また今日の服装チェックして、ウロウロ家の中で徘徊する。
おれ、どれだけ風見さんに好かれたいんだろう。もう、依存度半端ないよ。
助けて、風見さん。
ギュッと買ったばかりのシャツの裾を握った。
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