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呼吸の落ち着いたおれは、風見さんのその手を解放した。離れていく手が寂しかったけれど、自覚した恋心の方が大きくて、急に距離感がわからなくなったのだ。
「体調悪いわけじゃない?大丈夫?」
そういって見つめてくれる目に耐えられなくなって、俯いた。
「だだ、大丈夫!元気だよ!」
手にかいた汗を腿に擦り付けてから、顔を上げる。
心配かけちゃダメだ!
精一杯の笑顔で、ほら!両腕をあげて、力こぶをみせた。
「・・・ブフッ。小夜、筋肉ないし。」
風見さんが手を伸ばして、二頭筋の張り具合を確かめる。
・・・アッ、なんかエッチな感じだし!!
自覚した恋心のせいか、なんでもない触れ合いが特別に感じて顔が赤くなる。
「あ、あるもん。ちょっとだけど、あるし!」
「あるっていうのは、こういうのを言うの。」
今度は風見さんがググッと拳を上げてみれば・・・立派な上腕二頭筋が張り出してきた。
「・・・すっ・・・ごい!風見さん、カッコイイ!」
これぞ男性の筋肉!と言わんばかりの筋肉に、おれのヒョロヒョロ筋肉の残念な感じが、なんとも切なくて、見比べてしまう。
「おれも、鍛えよう。」
そういうと、優しく微笑まれた。
「いまの筋肉のバランスが綺麗だからそのままでも良いんじゃない?」
「ほんと?」
「うん、ほんと。」
くしゃくしゃっと頭を撫でられたら、気分も上昇した。
「じゃあ、小夜が元気なら、次に行こう!」
慌ててシートベルトを締めたのをみて、風見さんが笑う。シフトをドライブに入れて、おれたちを乗せた車が静かに発進した。
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