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楽しかったハリネズミカフェはあっという間にお別れの時間がきてしまった。
お店を出ると、時間は7時近くで、何か食べて帰ろうか、という話になった。
「どうせなら、小夜に見せたいものがあるんだよね。」
風見さんが意味深な事を言って、タクシーを停めた。
「え?タクシーにのるの?」
「歩いて移動するにはちょっと遠いし、車出すほどの距離でもないんだよ。ここは、俺の言うこと聞いて。」
走り出したタクシーの中で、もう一個、お願い事を聞いてほしいと言われた。
「俺が良いっていうまで、目をとじてて欲しいんだ。」
「え、目を?」
「そ。見せたいものがあるけど、ギリギリまで見せたくないんだ。」
そう言われたら、うんって言うしかなかった。
「わかった。」
俯いて、目を閉じる。
車のウインカーの音しか聞こえなくなって不安に思っていると、そっと、おれの手が包まれるように繋がれた。
「・・・風見さん。」
優しくてあったかい手が嬉しくて、声をかける。
「・・・なに?」
「ありがとう。」
風見さんからの返事は、手で。ギュッと握られて、おれの心がポッと暖かくなった。
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