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風見さんが連れて来てくれたのは、ライトアップされた東京タワーが見える、レストランのテラス席だった。
オレンジに光るタワーは、なんだか幸福の象徴のようで、一瞬で心を奪われた。
テーブルに置いてあるキャンドルの灯りがユラユラと揺れるたび、風見さんの優しい瞳が熱っぽくおれを見つめている気がして、おれがそう思いたいだけなのかもしれないけれど、好きだと言っている気がした。
・・・勘違い、しそう。
好き。
たぶんじゃなくて、風見さんのことを恋愛対象として好きなんだ。
「か、ざみ、さん・・・おれ・・・。」
何を言うつもりだったのか、無意識で風見さんを呼んだ。
風見さんも、小夜・・・と呼んで、肩をギュッと抱いてくれた。
「・・・おれ・・・。」
風見さんの事が、好き。
言葉にならない想いが、届けばいいのに。
見上げると、風見さんが泣きそうな顔で何か言いたげに口を開いた。
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