アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
53
-
「ねぇ、小夜?」
風見さんと密着した姿勢で写真を見ていると、そう声を掛けられた。
「ん・・・なに?」
撫でられる手にうっとりしながら、返事をする。
「明日・・・特に用事がなければ、俺ん家に来ない?」
ガバッと勢いよく体を離して、風見さんを見つめる。
「いいの?」
風見さんの『特別』な存在として認められたような気がして、嬉しくて嬉しくて堪らない。笑顔が止まらないおれを見て、風見さんも笑顔を見せると、ゆっくりと両頬を包まれ・・・。
ちゅ・・・ちゅ、ちゅ。
啄むような、そんなフレンチキスに溺れてしまいそう。
「俺の事も知ってもらいたいんだ。」
頷きながらこの人に出逢えて良かったと思った。
「でね、明日は電車で来て欲しい。いつでも小夜が俺の家に来れるように、駅からの道順を教えたいんだ。」
「・・・うん、行く。」
いつでも来れるように。
その言葉は、涙が出るくらい嬉しくて声が震えた。ギュッと奥歯を噛みしめないと、ポロッと涙が溢れ落ちそうだった。
「小夜・・・。」
震える唇を落ち着かせるように、風見さんの指がなぞって・・・そして、キスが深くなる。
息もできないくらい、舌を絡め取られる。
「・・・あっ・・・ふ・・んっ・・・!」
舌を吸われ、這い回る手のひらに背中がゾクゾクと震えて、恥ずかしい声が抑えても抑えても出てしまう。ふたりの間から、恥ずかしい水音が洩れて、我慢した涙がポロリと落ちた。
「あぁっ・・・はぁっ・・・んんっ」
大人のキスについていけず、風見さんの胸を叩く。
すぐにやめてくれたが、呼吸が苦しい。
荒く息を吐くおれを見て、風見さんは胡座をかいた膝の上におれを降ろした。ギュッと抱きしめて、落ち着くように、背中をトントンしてくれる。
ふたりの間は、おれのドクドクと早鐘を打つ心臓の様子が全部分かるんじゃないかと思うくらい、隙間なんてなくて。
風見さんの首筋に頬を寄せて、熱い息を吐いた。
「か、ざみさん、おれ、死んじゃうよっ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 1523