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明日の約束をして、風見さんは帰っていった。
お風呂に浸かりながら、今日のめまぐるしい一日を思い出す。築地に歌舞伎座、騙されたハリネズミカフェに、東京タワー。そして、ここで。
風見さんをご招待して、用意していたコーヒーを美味しいって飲んでもらって・・・そして、大人のキスをした。
唇に触れる。
食べられちゃいそうな、そんなキス。舌があんなに気持ち良いとは知らなかった。
そう思ったら恥ずかしくなってきて、湯船に沈んだ。
しちゃった。大人のキス・・・。
ぶくぶくぶくぶく・・・プハッ!!!
風見さんは、きっと大人のキスなんて今までした事たくさんあったんだろうなぁ。かっこいいし、優しいし、女の人がほっとかないよね。
胸がチリッと痛む。
嫉妬してもしょうがないけれど、おれは初めての経験で、どうしたらいいのか分からなかった。
独占欲、なのかな。おれのことだけ、見てて欲しいし、いま他の人を好きになられたら、多分、立ちなおれない。
「風見さん・・・。」
おれの切ない気持ちを込めた声は、湯気と一緒に ふわりと消えていった。
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