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57 お家デート
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待ち合わせは南口の改札のところで。
ピロン。
『おはようございます。予定通りこれから電車に乗ります。』
ウサギのキャラクターがGOOD!と親指を突き立てているスタンプが速攻で返ってきて、笑った。
ふふ、風見さんといると笑ってばっかりだ。
携帯をギュッと胸に抱いて、電車にのる列に並ぶ。今日は日曜であんまり人がいないけれど、先頭には行けないから敢えての順番待ちだ。
電車がやってきて、扉が開く。
楽しみにしていた風見さんのお家への第一歩。
隣の駅だから、あっという間だった。南口への矢印を確認して、足早に歩く。
改札・・・いた!
改札の機械の進入可能の○を確認して、入ろうとしたら、反対から一足早く人が入ってきて、もぉっ!となる。
正直、このどっちからも早いもの勝ちなシステムは苦手だ。
ほんの少しでも待ちたくなくて、となりの機械で改札を出ると、風見さんが優しく微笑みながら待っていてくれた。
なんだか照れくさい。
友だちから恋人という関係になった翌日のデートだ。なんだか甘酸っぱい気持ちになって、朝から落ち着かなかった。
「お待たせ。」
そういって見上げると、「可愛いからオシオキ!」って言われてデコピンされた。
「も、なにその罰ー!」
「だって必要でしょ?」
「アハハ、意味わかんないしっ」
おでこを摩りながら見上げると、ヨシヨシと頭をクシャクシャっと撫でられた。
うん、幸せ。心がふわふわしている。
「腹、空かせてきた?」
「うん!」
「じゃ、定食屋いこ!」
「やった!」
駅前のチェーン店の定食屋さんに入る。タブレットで注文するタイプのお店だから、安心した。食券制のお店なら、券売機の前で悩んだら迷惑だからだ。
あ・・・これも気を使ってくれたのかな?
「どうしたの?思いっきり悩んでいいよ?」
正解だ!もう、どこまで優しいんだろう。
またキュンとなる。
「風見さん、ありがとう。」
「どういたしまして。」
えっと、なんにしよう。
結果、風見さんはロースカツ定食で、おれは香味唐揚げ定食に決定した。タブレットで入力する。
「注文、ぽち!」
ふふふー、今日は早く決められたぞ。
そう思いながら顔をあげると、風見さんが口を押さえて天井を見ていた。
ん?なんで?
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