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隊長!隊長!
前線はほぼ壊滅状態です!応援を求むッ!応援を求むッ!!
あぁ!!直接砲火!!被弾!被弾!
俺の中で、前線基地が崩壊した音が聞こえた。
タブレットを渡し、時間をかけてでも自分の食べたいものを注文してもらおうと静かに観察していたら、真剣に悩み出して・・・悩んでる時の癖なのか、唇をキュッと窄ませて、キス顔になってるし、やっと決まったかと思えば、それはそれは楽しそうに「注文、ぽち!」なんてやってくれる。
それ、俺にとっては「発射!」って言われてるのと同じで、発射されたら被弾するでしょ、間違いなく。
悶絶したい可愛さに思わず口を左手で押さえて、天井のパネルの数を数えた。
一角320ミリだと仮定して、パネルの数がここから入り口まで15枚あるから、えっと、入り口から約5メーターってところで・・・
無意味な計算をしていたら、落ち着いてきた。
「風見さん、どうしたの?」
小夜が不思議そうな顔をする。
いや、そうだよな。いきなり天井のパネルの数を数えだしてる恋人ってどうよ?
踊らされている自分に苦笑した。
「なんでもないよ?昨日はぐっすり寝れた?」
「うん、おかげさまで。昨日は本当に楽しかった!おれ、一生忘れない!」
きらきらと目を輝かせて話す小夜は可愛かった。
「俺も。・・・ブフッ!レディを侍(はべ)らす初体験(はつたいけん)も楽しかったな!」
そういうと、小夜がほっぺをぷぅっと膨らませた。
「酷いよっ、本気で焦ったんだからね!」
膨らんだ頬を突っつきたい欲求を堪(こら)えて言った。
「アハハッ!だって歌舞伎座でさ、次は六本木で可愛いハリネズミのカフェがあるから、行ってみようって話したのに、全然聞いてなかったからね?オシオキしちゃえと思ったんだよ・・・ブフッ」
「あ・・・っ。ごめんなさい、あの時だ。」
申し訳なさそうに、上目遣いで見つめてくる。
隊長ッ!もう無理です!!前線基地、放棄します!繰り返します!
前線基地、放棄します!
「・・・あの時って?」
自分の腿(もも)をギュッと抓って正気を保った。
「あのね、実は・・・。」
そう言って小夜がリュックから取り出して差し出したのは、2組のストラップだった。
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