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ゾクリとした。
おれを見下ろすその顔が、興奮した雄の顔だった。
「小夜・・・。」
近付いてくるその顔に狂おしいほどの欲望が見える。
おれは目を見開いたまま、動けなかった。
息も、出来ない。
どんどん顔が近付いてくる。
風見さんの息が、唇にかかる。
ギリっと捕らえられた手が、痛い。
あぁッ・・・食われる!!
そう思った時、着信音が響き渡った。ギョッとしてふたりで音の鳴るキッチンを見る。
・・・魔法が、とけた。
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