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や・・・さや?・・・小夜。
遠くから声が聞こえる。大好きな風見さんの声。
あぁ、おれ、幸せ。風見さんの幻聴が聞こえるなんて・・・。夢でも幸せ。
「小夜、そろそろ起きようか?・・・小夜?」
風見さんの声をもう少し聴きたくて夢にしがみつこうとする。
と、唇が柔らかい感触に包まれた。
「?!」
目を開けると風見さんのドアップで。
・・・硬直した。
目を白黒させながら硬直したおれに気付いた風見さんが、笑いながらそっと離れた。
「おはよ、小夜。」
頭を撫でられて、額にキスが落とされた。柔らかい唇の感触にドキリとした。
「おっ、おお、おはようございます。」
状況が掴めず、うろうろと視線を彷徨わせるおれに、体は辛くないかと聞かれて、全てを思い出した。
あっ・・・おれ、風見さんと・・・!
今なら、恥ずかしくて死ねるかもしれない。
途端に真っ赤になったおれを優しく抱き起こして、背中をとんとんしてくれた。
「ごめんね、小夜。びっくりさせたね。」
風見さんの腕の中で彼の心臓の音を聞きながら、頭を振った。
「・・・好きすぎて、夢で小夜を抱いていたんだ。まさか寝たまま小夜の事を襲っていたなんて、気付いてなかった。・・・ごめんね、怖かったろ?」
「ううん・・・びっくりはしたけど。けど。」
「・・・けど?」
ぎゅと風見さんのシャツを握って、俯く。
「おれのこと好きって・・・全身で感じれて、幸せだった。」
風見さんが息をのんだ。
顎を掬われて、上を向く。直後に深い、大人のキスが落ちてきて息ができない。舌を絡めて、吸われ、ザラザラの面を合わせて舐めとられた。
おれは喘ぎながら、必死についていく。
風見さん、風見さん!
好き、好き、好き!
想いを込めながら、キスをした。
おれのこと、もっと好きになって。
おれ、もう、風見さんでいっぱいだよ。
好き・・・!好きっ!
「はぁっ・・・んっ」
唇が離され、ギュッと抱きしめられる。
負けずにおれも風見さんをギュッと抱きしめた。
「本当に、好きなんだ。俺は小夜の事が好きで好きで堪らない。もう、手離してあげることなんて出来ないくらい、小夜の事しか考えられない。」
風見さんの告白に胸がいっぱいになった。今まで誰かにこんなにも乞(こ)われたことがあっただろうか。
体を離して目を合わせた。優しい眼差しに、幸せ過ぎて涙がでそうだった。
「お・・・、おれも!おれ、風見さんのことでいっぱいになってる。風見さんさえ居てくれれば、もう何も要らないくらい、風見さんのことが好き・・・!」
そう言った俺を見つめた風見さんは、それは嬉しそうに破顔した。
「・・・ありがとう。小夜、これからもよろしく。」
「・・・うん。」
そう言って、おれたちは誓いのキスをした。
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