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ピロン。
『お疲れ様です!気を付けて移動してくださいね。』
今から電車に乗るとメッセージを送ると、すぐに返事が来た。俺が来るのを楽しみにしていたことが窺えて笑みが溢れる。
徒歩20分の距離も、あっという間だ。
チャイムを押しドアを開けると、そこには小夜が笑顔で「おかえりなさい。」と待っていてくれていた。
なんて可愛い。
「ただいま。」というと「待ってた。」と言って抱きついてくる。
こんな可愛い生き物、世の中に存在するだろうか。疲れが吹き飛んだ。
頭にキスを落とすと、笑って手を引っ張られた。
「ご飯出来てるから、手を洗ってね。」
靴を脱いで、洗面台で手と顔を洗う。真新しいタオルが差し出されて顔を拭うと天日干しした太陽の良い香りがした。
「座ってて。」
そういわれてテーブルの前に座ると、美味しそうなご飯がどんどん並べられていく。最後にお箸とビールを渡されて、小夜も座った。ビールのプルタブを引き、乾杯した。
「「お疲れ様。」」
お皿にこんもりと盛られたキャベツの麓には、美味しそうな照りがついた豚の生姜焼き。ポテトサラダが付け合わせだ。具だくさんのお味噌汁に、ツヤツヤと輝くご飯が湯気を出していた。
・・・美味そう。
早速、お肉を米に乗せて頬張った。
「美味い!」
「よかった。」
「これ、メシが進む。ヤバイよ。」
「ふふ、どんどん食べてね。」
本当に美味かった。少し甘めのタレは、ご飯にかけて掻き込みたい感じだ。絶妙の味加減に夢中で食べていく。
「ふー・・・食った。小夜、料理上手だね。」
がっつり胃袋を掴まれた。毎日、食べたいと思った。
可愛い恋人が美味しいご飯を作ってくれて、おかえりと言ってくれる幸せは、何ものにも変えがたい。
「これで、風呂。寝る。って出来たら最高だな。」
ピキッと小夜の動きが止まった。
顔を見ると、真っ赤になっている。
「お・・・お風呂、入る?わ、沸かしてあるけど。」
思わず目を見開いた。
敵襲!敵襲!
敵は無意識に据え膳をセットした!繰り返す!
敵は据え膳をセットしてきた!!
「・・・一緒に入る?」
「・・・うん。」
あぁ、これはアリストテレス様、俺は欲望に打ち勝つ事を放棄します。
恐らくこれは、小夜なりの受け入れ方だろう。今朝イタシタところまでは、了承済ということだ。
ふたりで食器を下げて水に浸したら、キスをしながら服を脱がせあった。狭い浴室に入ると、何をするにしても小夜の体が当たった。抱き込むようにして、シャワーの蛇口をひねる。
濡れていく頭。滴る水が小夜の綺麗な体を伝っていって、とても艶めかしかった。
「はぁっ・・・んっ・・・」
思わず顎を掬い、唇に噛みついた。
湯気がこもる浴室内で、小夜の鼻にかかる喘ぎ声が響いていた。
「・・・おれ、溺れそう。」
「・・・溺れていいよ。俺が救い出すから。」
「ふふ。・・・風見さん、頭、洗ってあげる。」
「ん。」
しゃがみこむと、優しく頭皮を洗われた。小夜の指が頭皮に触れているだけで、気持ちよかった。
「痒いところは、ない?」
「ないよ、気持ちいい。」
泡を洗い流すと、今度は俺が小夜の頭を洗う。
こういう奉仕って、心も満たされるんだ。
喜んでもらえる幸せ。信頼して体をあずけてもらえる幸せ。
小夜に教えてもらった。
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