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98 見積り
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メールを開くと、三笠商事の件で開発から回答が来ていた。工数をベースに金額を弾き出す。
やめると言われるか、実行すると言われるか。微妙な金額だ。
見積りシステムを立ち上げ、数字を入力し登録した。
担当の澤田に確認させたら、マネージャーに送信予定だ。マネージャーが承認したらディレクターが最終承認し、見積り提出となる。
担当を超えて俺が対応するのは、一旦俺が要望を確認したことが原因であり敗因。
まぁ、最初からエドワードは今回の窓口を澤田ではなく俺にするために難癖つけてエスカレーションさせたんだから、仕方がなかった。
送信したら小島さんから電話が入るだろうなと思いつつ、席を立つ。
「澤田、三笠商事の見積りを登録したから見ておいてくれ。何か気になる事があれば教えて。開発からの資料、4部コピーお願い。あとで打ち合わせしよう。」
言い置いて、休憩室(リフレッシュルーム)に向かった。
リフ室で携帯を取り出す。小夜との履歴を表示させて、フッと笑った。
『おはようございます!風見さん、起きられたかな?おれは起きれたのは起きれたんだけど、筋肉痛で体がガチガチ!やっぱりちょっと鍛えたいので、鍛え方を今度教えてね。』
『おはよう。一緒に住んだら毎日ベッドで鍛えてあげるから楽しみにしといて。』
『風見さんのエッチ!』
何度見ても笑える。
癒されるなぁと思いつつ、自販機でカードをスキャンした。社員証をスキャンしたら給与天引きになるシステムで、小銭がいらないから気に入っている自社サービスのひとつだ。ただこのサービス、他社にも同じようなサービスがあるため契約まで持っていくまでに掻っ攫(かっさら)われることもある。三笠商事の場合は上手くいって、俺が導入したサービスの1つだ。
『お疲れ様。機嫌なおして?今日は、いつでも小夜がうちに住めるように片付けるつもり。今日は逢えないけど、一緒に住むための準備だと思えば頑張れるよ。仕事、頑張って。』
コーヒーを一口飲み、背伸びをした。
さ、戻るか。
未来の幸せへ向かって、風見は一歩踏み出した。
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