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いもうとさん、うららさん。
妹さんに嫉妬してた。おれ、心が狭いよね。
こんなに愛してくれているのに、ちょっとしたことで一喜一憂してしまう。
これが恋愛なんだと思うけど、今更ながらに歌人の心がわかってくる。
百人一首で歌われた恋の歌。
切ない気持ちが歌われたその一首一首を、いまならよく理解できると思う。必要に迫られて覚えた歌の数々が、今はおれの心を掴み、離さない。
昔の人も、今のおれも誰かを愛しく思い、その人を想って切なく震える様は同じだ。
人は太古の昔から愛する人を求め、恋い焦がれている。
つまらない嫉妬も悲しみに涙を流すのも、全ては風見さんの事が大好きだから。
風見さんを抱きしめた。その良い香りに包まれながら、うとうとする。
おれの麗さんへの嫉妬事件は、こうして幕を閉じたのだった。
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