アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
121
-
風見さんのお家で、家具を待つ。
ソワソワして、ぜんぜん落ち着かない。
どうしよう、本当に。
本当に、本当に、おれたち同棲、するんだ・・・。
さっきからニヤニヤが止まらないし、落ち着かない。
今日、ちょっとだけ荷物を持ってきた。
ここからこの段は小夜が自由に使って良いからね、とタンスの引き出しを開けてくれたから、お言葉に甘えて下着やパジャマなど詰め込ませてもらった。
ハンガーにかけるものはワイシャツとスーツだけど、それは明日持ってくる予定だ。服はかなり整理した。クタクタの服は全て処分し、新品の服が増えた。
今朝は車で迎えにきてくれたから、思い切って調味料とお鍋も運んだ。未使用の綺麗なキッチンに、おれのものが増えていく。
実は、郵便局にも水曜日に行ってきた。ハガキ形式の転送届けに風見さんのマンションの住所を書き、風見様方と付け加える。
正直、郵便局で悶えそうになった。
風見様方だって!風見様方、杉小夜。
女の子みたいに風見小夜になることはないけど、住所に風見様方が入るだけで、風見さんのモノだという感じがして、堪らなかった。
思い出して、思わず悶える。
くねくねうふふ、なんてしてたら、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はーい!」
すごいよね、顔が見えるインターフォン。家具の配達員が来ていた。
家具の配達は3人で1組なのか、ダンボールを抱えてぞろぞろと部屋に入ってきた。まずは今あるベッドの解体から始めるらしい。あっという間にベッドは板とボルトだけになった。
一旦、配達員のふたりがマットレスを降ろしにいくと、残る1人はバラした板を玄関外に運びだしていっている。運びだしたらダンボールを開封して中に入っていた板を並べだした。
マットレスを運んで行ったふたりが戻ってきて、1人は外に置いてある板を再度降ろしに消え、残る1人は並べてある板を一緒に組み合わせはじめた。
特に会話をしてないのに、阿吽(あうん)の呼吸というやつなんだろうか。無駄のない連携に目を見張った。
職人だよね、凄い!
あっという間に組み上がり、ベッドのフレームが完成した。3人降りていき、マットレスとダンボールを運び入れる。テーブルもあっという間に組み上がり、びっくりするくらい早く家具の搬入が終わった。
受け取りのサインをして(風見って書いた。恥ずかしくて悶えるッ)部屋を見渡す。
シングルベッドがダブルベッドに変わったから、もっと閉塞感が出るんじゃないかなと心配していたら、ベッドの高さが低いせいか、心配したほどの感じはない。
むしろベッドと天井の間が空いたせいで広く感じた。
キッチンにでん!と増えたテーブル。シンクが壁を向いているから、料理を作って振り向けば、すぐ目の前にテーブルがある位置だ。運ぶ手間もなく、導線も良さそうだった。
椅子は1人掛けを2脚と、ベンチタイプを組み合わせた。ベンチはテーブルの下に入り込むから、導線の邪魔にはならない。
ここに、住むんだ・・・。
ほぉ。と息をつく。
ベッドを買ったお店で購入したシーツと、上掛けをセットした。枕もふたつ並べて・・・。
ダメだ、顔面崩壊する!
なんだか色んな事を想像してしまって、悶えてしまう!
ほっぺを抑えて、キャー!状態だ。
そういえば風見さん、やけにベッドヘッドに引き出しがあるものが欲しいと力説していた。
爪切りでも入れるのかな?何に使うのかわからないが、引き出しの上の棚に読みかけの本を置けるのは嬉しい。
棚に目覚ましを置いて、頷いた。
うん、完璧!
テーブルも綺麗に拭きあげると、携帯を取出して写真を撮った。ベッドも同じように写真を撮る。
風見さんに報告するためだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
121 / 1523