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ピロン。
『風見さん、お疲れ様です。家具が届いたよ!』
写真。
写真。
携帯が震えた。
見てみると、小夜からのメッセージだった。
『お疲れ様、お留守番ありがとう!もうすぐ帰るね。イイ子で待っててね。』
横で見ていた麗(うらら)が猫を撫でながら「うっわぁー、エロッ」と言い出した。
じろりと睨むと、笑われた。
「ねー、見た?クロたん、『イイ子で待っててね。』だって!ブフフ、お兄ちゃん、なにものー?」
ミルクをもらってスヤスヤと寝ている雪のほっぺを、優しくツンツンしてから立ち上がった。麗の膝の猫を抱き上げて頬を寄せた。
「クロたん、また帰ってくるから元気でな。」
ゴロゴロと喉を鳴らして喜んでいる猫に名残惜しさを感じる。もうすっかり老猫になった。麗に返すと鍵と財布をテーブルから取る。
「じゃ、帰る。」
「小夜さんにヨロシク!本当に近々会わせてね?」
「そうだなぁ。父さん母さんが居ない日を教えてくれ、ここに連れて来るから。」
満面の笑みで親指を立てて「オッケー!」と約束した妹の頭を撫でると、靴を履いた。
「戸締りきちんとしろよ?」
「ブフッ!子どもじゃないんだから大丈夫!お兄ちゃんこそ気をつけてね。」
手を振って車のエンジンをかけた。
さあ、小夜の待つ部屋へ出発だ。
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