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『俺がいなくても、復習するように。』
どう返信したほうが良いのか、全く思いつかない。
まず、今日は飲み会になったというメッセージが送られてきて、チャンスだと思った。
実は、風見さんの誕生日プレゼントを下見したくて、まずは駅ビルで探してみようと思っていたのだ。ゆっくり見て回れれば、何か見つかるかもしれない。
だから「楽しんでね」と心からの言葉で送ったのだ。
そしたら。
そしたら。
『俺がいなくても、復習するように。』
どう復習したらいいの?復習の仕方を考えると、顔が熱くなる。
帰りの電車の中でも、ずっと考えしまって恥ずかしかった。いまおれの頭の中を誰かに覗かれたら、恥ずかしくて死ねると思う。
風見さんのプレゼントは、ずっと前から悩んでいた。
財力じゃ到底敵わないから、おれの買える範囲は決められていて、今日も駅ビルで『復習』の言葉がチラつきながらも、洋服やアクセサリー、お財布に鞄、時計も見てきた。
そういえば男の厄年って何歳だっけ?もし厄年ならベルトとか長いものがいいよね。
そう思って調べたら、おれが前厄だと知ってガックリした。
・・・知らなければ幸せに過ごせたのに。
財布を見ている時に、可愛い黒猫のポーチが売ってあった。風見さんの拾った猫ちゃんそっくりで、あげたら喜ぶかな?と思ったけど、男の人に黒猫のポーチって変だよね。
そう思って、結局買わずに帰ってきた。
風見さん、何が欲しいだろう。
ポン、と「貰って嬉しいもの、恋人自身。」その一文を思い出した。
・・・復習、しなきゃ。
風見さんのお誕生日までに受け入れられるようになりたい。
そのためにはどうしたらいいのか。
答えはもう、決まっていた。
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