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一緒にゆっくり湯船に浸かり、風呂から上がる。小夜がささっとビールとツマミを用意してくれて、感動した。明日の準備をすると席を立った小夜が戻ってくるまで、ゆっくりとビールを傾けながら、いつも小夜が座る席を見つめた。
「・・・完璧だなぁ。」
可愛くて、優しくて、気が利いて、純粋で、料理ができて、いつも部屋を清潔に保ってくれてて、エッチだ。
性別だけがふたりの間に横たわる問題だが、結婚できないだけで色んな制限が出てくる。
俺が死んでも相続人から外される。事情を知らなければ、俺の葬式は家族が行い、友人としてしか小夜が立つ場所はない。
よく、神父の言葉で「死がふたりを別つまで」というが、死によってもたらされる問題は多い。
年齢的に、俺が先に死ぬ。
そうなった時に、友だちがこっちに居ない小夜は、ひとり孤独になってしまう。
俺の年金は支給が止まり、小夜は婚姻を結んで居ないが故に、遺族年金を受け取れない。
生命保険を小夜が受取れるように書き換えていたとしても、贈与として見なされ高い税金を納めることになるだろう。
今の法律は、残酷だ。
だからこそ、精神面を支えてくれる友だちが必要なのだ。
きっと麗たち夫婦は、小夜の味方になってくれる。
友だちとは呼べないかもしれないけれど、少しでも味方を増やしておきたい。
そう思いながら、ビールを飲んだ。
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