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191 2018年9月9日
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日曜日、母親と朝ご飯を食べたおれたちは、彼女が起きるまでの間に買い物に行くことにした。
1週間分の食材を買い溜めするためだ。そして、毎週月曜は給食がお休みだと教えてもらったため、美湖ちゃんの弁当箱を買わないといけない。
今までどうしていたのか確認したところ、コンビニの弁当を持たせていたらしい。幼稚園の園長先生からも厳しく言われたらしいのだが、弁当箱をこの中からみつけてまで料理する気力がどうしても湧かなかったと言っていた。
ふたりの両手にぶら下がりながら、きゃっきゃっとはしゃぐ美湖ちゃんは、可愛い。
「せぇの、ぶらーん。」
せぇので持ち上げて、ぶらーんで足が浮くのが楽しいらしく、もう一回!もう一回!と何度もリクエストする。
「俺、父性本能がヤバイわ。」
そう言って風見さんが笑った。
美湖ちゃんと3人で決めたことがある。
風見さんのことは「あっくん」
おれのことは「さっちゃん」 そう呼ぶこと。
本当のパパが戻ってきた時に、おれがパパと呼ばれているのはマズイだろうという配慮からだ。
ふふ、風見さんが、あっくん。
「さっちゃん、きょうのごはんはなぁに?」
「エビフライすき?」
「すきー!」
「じゃあ、エビフライとハンバーグにしよう。」
「やったー!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねる美湖ちゃんを、風見さんが抱き上げた。
「よかったなー、美湖ちゃん。ごちそうだねー。」
「うん、さっちゃんもあっくんも、だーいすきッ!」
ブフッ。
風見さんの鼻の下が伸びてる。
擬似家族だけれど、とても幸せだった。おれが子どもを産んだら、こんな感じの家庭になるんだと思う。
「ふふ、離したくないでしょ?」
「嫁には出さん!っていう世の中の父親が言うのが分かるね。」
笑い合いながらマンションに帰ると、お隣では片付けを開始したようだった。
手伝いに行ってくると風見さんは隣に行ったので、美湖ちゃんと料理の下ごしらえを始めた。
「こねこねできる?」
「うん!まえねー、ママとやったことがあるのー。」
「そっか、おてつだいしてたんだねー、えらいねー。」
褒めると嬉しそうに笑った美湖ちゃんは、とても可愛い。
スクスクと真っ直ぐに育って欲しいと思った。
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