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198 2018年9月11日
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なかなか寝相がアグレッシブな美湖ちゃんは、今朝は頭と足が逆向きで、おれの顔に足の裏が乗せられているという状況。その上、裏拳で風見さんの股間を強打し、風見さんが悶絶して起きるという奇跡を巻き起こした。
ブフッ。
思い出すたびに笑いがこみ上げてきて、苦しくて堪らない。
そんな感じでいつもより早く起きた風見さんは、朝ご飯に使う食器を用意してくれている。
「小夜、いつもこんな時間からメシの準備をしてくれてたの?」
「ふたりだけの時はもうちょっと遅かったんだけど、美湖ちゃん用におかずを小さく切ったりしていたら、結構ギリギリになっちゃうから、ちょっとだけ早めに起きるようにしてるんだよ。りんごとか、ウサギさんに切ってあげたいしね。」
そう言うと、風見さんが深い息を吐いて、ペトッと背中から抱きしめてきた。
「はぁーーーー。この嫁は、なんて出来た嫁なんだ。」
ふふ、褒められて嬉しい。
「そろそろ美湖ちゃん起こして、おしっこに連れて行ってもらってもいい?」
「オッケー。」
そうこうしているうちに、美湖ちゃんのお母さんがやってきた。
「おはようございます。いつもすみません。」
「いえ、ふたりの時でも朝ご飯は作りますから一緒ですよ。」
ご飯をよそって、4人で食事を始める。食事の開始セレモニーは、いつも美湖ちゃんの号令から。
朝からホンワカと和むその「てをあわせてください、いただきます。」は今日も一日頑張ろうという活力をくれた。
「今日、私、面接なんです。」
お母さんが箸を止めて言った。
「なんのお仕事なんですか?」
「洋服の補正屋さんでして、ハローワークでの話ではシフトで勤務日や時間を選べるらしくて。商業ビルに入っている洋服屋さんからひっきりなしにズボンの丈の変更の依頼がくるらしいんです。基本給のほかに、裁く枚数や、綺麗に縫製できる能力によって、お給料も上がっていくらしくて。お裁縫は得意なので、チャレンジしてみようかと思っています。」
「決まると良いですね。」
美湖ちゃんのお母さんも、新しい人生を歩み出した。
おれも、みんなに負けずに頑張んなきゃ。
風見さんを見つめて、改めて思った。
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