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マンションに戻り、静かに扉を開けた。
キッチンには、小腹が空いたら食べてねとウサギの形のリンゴが2片と、替えの着替えが置いてあった。
小夜らしい可愛い気遣いに、笑みがこぼれた。
薄暗い寝室のベッドを覗き込むと、美湖ちゃんを抱き抱えて眠る小夜がいた。
そっと近づき、額にかかる髪をすくい上げる。
「ただいま。」
起こさないように気をつけながら額にキスを落とした。
着替えを持って浴室に行き、シャワーを捻った。
今夜、小夜を抱きたかった。
職場のみんなから祝福され、妙な気恥ずかしさを味わった今、この幸せな気持ちを小夜にも分けてあげたかった。
愛していると言い切れる人と出逢える確率は、どれくらいなのか。俺は奇跡の出逢いをした。
心優しいこの恋人は、一心に俺の愛に応えようと努力してくれている。
小夜がいれば、他は何もいらなかった。
そして、小夜がいるから、貪欲になった。
もっともっと小夜を俺のものにしたい。
もっともっと小夜の愛情が欲しい。
月に照らされて、俺は輝ける。
小夜が俺の闇を照らしてくれた月だ。
物静かに、だけれど深い愛情を返してくれる小夜。
苦しかった毎日を、楽しいと思える毎日に変えてくれた。
感謝してもしきれなかった。
・・・明日の朝、抱きしめてキスをしよう。
でろでろに可愛がって赤い顔になった小夜を見たい。
もぉっと言いながら「好き」と言ってくれる口を更に塞いで愛を注ごう。
愛してる。
排水口に流れていく泡を見ながら、明日の事を思い微笑んだ。
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