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はしゃぎ過ぎて疲れて寝た美湖ちゃんは、胡座をかいた俺の膝の上で寝てしまった。頭が落ちないように、腕で支えている。
「ふふ、すっかり懐いちゃって。」
「堪らないよな、こんなに懐かれると。」
ふたりで美湖ちゃんの寝顔を覗きこんで微笑みあう。
「小夜。」
「ん?」
顔を上げた小夜に、ちゅっとキスをする。すぐに赤くなる小夜は可愛い。
「昨日、飲み会って言ってたろ?」
「うん。」
「話の流れで、恋人のことを愛してるって皆の前で言っちゃったよ。・・・本当に、愛してる。」
「ありがとう・・・恥ずかしいけど、嬉しい。複雑。」
そう言って、小夜からキスのご褒美をもらった。
「そんなこと言って、今日大丈夫だった?」
「俺ね、いつの間にか壁を作ってたらしいんだ。」
毎日が息苦しくて、先の事なんか考えられなかった。だけどね、小夜。
小夜に出逢って、俺は変わったんだ。
「・・・今朝言われたよ、他人行儀な感じより、今の自然な方が良いって。小夜のおかげで、俺自身が変わっていってるんだ。」
だからね。
「俺は、これから先ずっと、小夜を手離すことなんて出来ない。愛してる。」
「・・・うん。」
瞳に浮かぶ涙がキラキラと輝いて、ひどく綺麗だった。
「小夜の一生を、俺が貰ってもいい?」
結婚して、子どもを授けてあげることは出来ない。
ふたりは夫婦として籍は入れられないのだ。
だけど。
俺は小夜しかいらない。全てを投げ打ってでも、ずっと一緒に居たかった。
「おれも・・・風見さんの一生をおれが貰ってもいいの?おれ、何もしてあげれないのに。」
「俺の一生を貰って。小夜がいなければ、俺はまだ暗闇の中を彷徨ってた。愛してるんだ。」
泣いて言葉が出ない小夜は、必死に頷いてくれた。
涙でしょっぱいキスは、誓いのキス。
すやすやと眠る美湖ちゃんを証人として、俺たちは共にいることを誓いあった。
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