アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
231
-
で。
小夜さん、おいくつなんですか?
と、麗さんからの質問。
「23です。」
と答えると、「お兄ちゃん、犯罪ッ!」と笑っていた。
そんなわけで。
「ほんとは義兄さんと呼ばないといけないんだけど、私より年下だから小夜ちゃんって呼んでも良い?」
と呼び方も決まり、麗さんとLINEの交換もした。
------------※ ※ ※------------
「かざ、暁さん、ありがとうございました。」
「ん?」
帰りの車の中、風見さんにお礼を言った。
「おれを紹介してくれて。」
「当たり前だろ、小夜。小夜の一生をもらったんだから、これから先、絶対に実家と関わりが出てくる。小夜の強い味方になってくれるから、怖がらずに生きて欲しいんだ。」
「うん・・・。おれの家族にも。」
「すぐじゃなくても良いさ。一生は長い。いつか話せるタイミングが出てくる。俺も流石に親父にはすぐには言えないしな。・・・ごめんな。」
「ううん・・・。」
歓迎されない関係。そんなの最初から、わかっている。
でも、風見さんは、おれに味方を作ってくれた。
それだけで充分だった。
万感の想いをこめて「ありがとう。」とお礼を言った。
無言で涙ぐむおれの手を、左手でそっと握ってくれた。
------------※ ※ ※------------
「ところで、小夜。」
「なに?」
景色が流れていく。
行きと帰りでは見える景色が違うなぁと、小夜はのんびり考えていた。
「今日は外泊しないか?」
「外泊?どこに?」
指差す方向を見てみると、デンッとコテージ型のラブホがあった。
「あそこ。」
『ご休憩1H・2H・4H、宿泊プランございます』
・・・か、看板が眩しい!!
「入るよ。」
おぉーい!カザミサン、お返事シテオリマセンガァー?
ウインカーの音がやけにカチカチ響いた。
するりと左折したおれたちの車は、奥へと入っていく。
コテージの横に駐車場があって、車が入っているところが利用中らしい。生々しくて、ドキドキする胸を押さえた。
「んー、さすが三連休、結構埋まっているな。」
言いながらサクッと車を止めた風見さんは、先に降りた。どきどきして動けないおれをみて、助手席側に回ってきた。
「姫、参りますぞ。」
そう言って抱き下ろしてくれた。
「忘れ物はない?一度入ると清算しないと車に戻れないからね。」
・・・ほぉー。ソウイウしすてむデスカ。
「だ、いじょうぶ。」
・・・初ラブホ。
おれ、大人にナリマス。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
231 / 1523