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さて、マンションに到着した俺たちは、まったりと時間を過ごしていた。
「暁さん、祖父にちょっと電話しても良いかな?」
「いいよ、敬老の日だからだろ?」
「うん。」
小夜は携帯を取り出し、タップした。すると、まもなく話し出した。
「あ、じいちゃん?小夜だよ」
『小夜?元気にしとるね?』
ブフッ!相手の声がデカすぎて、丸聞こえだ。
「うん、おれは元気。じいちゃんは?」
『元気、元気!ラジオ体操にも通いよる。』
闊達なお爺さんの顔が見えるようで、ほのぼのとした。
「元気そうで良かった。」
『たまには帰ってこんね。』
「まだ東京きてちょっとしか経っとらんけん、そのうち帰るけん。」
『そのうちって正月ね?』
「んー、よく分からんけど、落ち着いたら顔だすけん。それまで元気にしとってねー。」
『小夜も元気でな。』
「うん!じいちゃんも薬飲むの忘れんようにね?じゃあね!ばいばい。』
もう、とんでもなく可愛かった。
「さーやー、なんて可愛いッ!」
ガバッと抱きつきキスの雨を降らせた。
方言も可愛いし、わざわざ電話をして元気でねって言う優しさも可愛いし、別の部屋でこそこそ電話するのでなく、目の前で話してくれたことも。
みんなみんな、可愛い!
くすぐったいと言って笑う小夜を抱きしめながら、この嫁の完璧さ加減を自慢できるヤツはいないかと、風見は思案を巡らせるのだった。
------------※ ※ ※------------
「あ、大丈夫だって。オッケーでたよ。」
そう、嬉しそうに笑うのは俺の天使だ。
美(み)湖(こ)ちゃんのお母さんは、土日祝はフルタイムの日になる。美湖ちゃんが寂しがっているんじゃないかと心配して、うちに連れて来ようと提案してきた心優しい自慢の嫁だ。
メッセージでお母さんとやり取りして、にっこりと笑って言ったのが先ほどの発言だ。
「じゃあ、あっくんが迎えに行ってこようかな。」
「ふふ、じゃあ、さっちゃんは おやつの用意をします。」
ふたりで分担して、美湖ちゃんを迎える。
俺たちの中で美湖ちゃんは、すっかり家族の一員だ。
小学生になったら、宿題をみてあげながら一緒に過ごすのかな。
中学生になっても来てくれるかな?来てほしいな。
そんなことを思いながら、風見は隣の部屋をノックするのだった。
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