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小夜がお昼から戻ると、叔父さんから呼ばれた。
最近のおれ、失敗が多いから叱られるのかも・・・。
ドキドキしながら机に向かう。
すると叔父さんは笑いながら、打合せテーブルを指差して座るように言われた。
「小夜、ここの仕事は楽しいか?」
「はい、いままで司法書士が何をしているのか知らなかったんだけど、色んな会社や個人の方からこんなに必要とされる仕事ってわかって、面白いなぁと思ってます。」
「本音は?」
「・・・おれ、ちゃんと働けているか不安です。」
電話、接客、いずれもしてない。
言われたことをただひたすらやるだけの仕事だ。
手伝って欲しいと言ってくれて、田舎から出てきたけれど、その用件を満たすことができているのか不安で仕方がなかった。
「小夜。」
「はい。」
「今から本気で勉強して、司法書士の試験をうけてみないか?」
びっくりした。
おれが、司法書士・・・。
「今、やりたい仕事はあるのか?」
答えられなかった。
「合格率は低いが、ここで実際に勉強しながらやっていけば、無理ということはないだろう。合格者の中にはお前のように法学部を卒業していない人もいる。お前は真面目だし、性格的にも合うと思うよ。」
だから、考えてみてくれ。
そう続けられた。
席に戻り、おれは印鑑を押す作業に戻った。
・・・おれが、司法書士。
叔父さんと同じ仕事。
・・・おれは、何をしたいんだろう。
教師という目標を失ったおれが次に就く仕事だ。
ちゃんと、考えないといけない。
風見さんとの毎日が幸せで、大切な事を後回しにしていた。
風見さんに恥じない、ちゃんとしたおれでありたい。
風見さんに相談しよう。
小夜は黙々と作業をしながら、将来のことを思い悩んだのだった。
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