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267 2018年9月20日 ~札幌へ
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眠い目をこすりつつ、現在、札幌へ向けて移動中。
7時30分発の飛行機に乗って、順調に行けば札幌に10時頃に到着できる。もう一つ遅い便にしても良かったが、万が一、新千歳空港から札幌を結ぶ電車が遅延や運休なんてことになったらバスでの移動になるため、時間の余裕は必要だった。電車なら40分の距離でも、バスなら1時間15分程かかる。
この時間が選択の最低ラインだ。
そんなわけで、7時30分発の飛行機に乗るためには、手荷物検査場を7時には通る必要があり、逆算すると5時30分に電車に乗るとギリギリだ。となれば、更に早い電車に乗る必要に迫られた俺たちは、更に早く起きて家を出る必要があるわけで。
黒猫の子猫ちゃんで昨晩可愛く奮闘してくれた小夜くんは、現在うとうとと俺の肩に寄りかかっている。
「小夜、乗り換え。」
ピクと起きて、ふらっと立つ。
眠すぎて状況把握が出来ない、へとへとの姫は、俺から手を引かれて次のホームへ移動していた。
まあ、寝ぼけて、可愛いこと、この上ない。
俺は小夜バカになっている自覚はあるが、多分、誰が見ても可愛いと思うんじゃなかろうか。
そんな可愛さをまき散らす小夜の荷物も入った俺のスーツケースは、二泊三日の荷物でパンパンだ。それもそのはず、俺のバカデカいスニーカーが場所を取るのだ。まさかジーンズに仕事革靴なんて、あり得ないから突っ込まざるを得なかった。
しかし。
この出来た嫁は「多分、向こうで着るかなって思う服をいくつか用意したから、選ぶだけだよ。」と、準備をしてくれていたのには驚いた。
下着、靴下については すでに入れてあり、スニーカーを入れるためのビニール袋もシューズクローゼットの扉に挟んであった。
就職に悩んでいる恋人に「専業主夫になってくれ」と、喉元まで出そうになりながら、グッと飲み込んだ。社会的保障がない俺たちの関係であれば、専業主夫になると将来的に生活が出来なくなる。
こんな時、ヘトロ同士の婚姻は良いなぁと思うわけで。
右手にスーツケース。
左手に小夜。
どちらもズルズルと引きずりながら、空港を目指す。
まぁ、戸籍が一緒にならなくても 身も心も一生俺のモノっていうのは変わらないから別に良いのだけれど。
「小夜、改札。」
ピク、ピッ。
・・・可愛すぎか!
言われて動くロボット状況の小夜に、庇護欲が高まって、ヤバかった。
この可愛い生き物は、俺のだからな。
そんな風に叫びたくなってくる。
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