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ふと横を見ると、空港の窓から切り取られた空がきれいだった。
快晴!
なんだか東京の青空より綺麗かも。
手荷物にしたスーツケースをゴロゴロと引きながら駅のプラットホームに入った。駅の売店を横目でみると、カニ、イクラの高級駅弁が店頭に並んでいてなんだか急に、お腹が空いた。
風見さんと快速に乗り込んで、出発した。
一緒に横並びに座ることができて、嬉しかった。
しばらく走ると綺麗な青空と農場が見えてきた。
綺麗・・・。
広々と広がる畑の のどかな風景に心が癒される。
風見さんは、すでに仕事モードだ。資料を取り出して確認中。
真剣な横顔が恰好良くて、ちょっとドキドキした。
風見さんが行く会場は、札幌駅から徒歩2分という話だ。
その会場へ先に行って場所を確認してから、どこかでブランチをとる予定で動いている。
その際、荷物になるけど、スーツケースは持ち歩く。
だって風見さんの仕事が終わったら、速攻で着替えて遊ぶ予定だから。
・・・早く終わるといいなぁ。
風見さんが一緒にいないのに ひとりで先に観光なんてしたくないし、遊んでていいよとは言われたけれど、じつはこっそり単行本を持ってきている。それを読んで、おとなしく待ってるつもりだ。
「風見さん、次だよ。」
資料の読み込みに集中していた風見さんに声をかけて微笑んだ。
風見さん、お仕事頑張ってね。お疲れ様。
そっと心の中で彼を労った。
------------※ ※ ※------------
駅から2分の会場はすぐに見つかった。
配布資料は先方が印刷すると言って貰えていたため、ノートパソコンだけを持ち込めば良かった。
プロジェクターは利用予定と聞いていたので、会議前に入って画面がちゃんと映るか確認しなければならない。午後からの会議だが、会場設営で11時から借りていると財津様から聞いていた。
・・・小夜とブランチしたら、すぐに会場に入らなければ。
段取りを組みながら適当なカフェに入った。
にこにことご機嫌の恋人の様子に、仕事モードに変わっていた俺は癒された。
「俺の持ち時間は20分て言われてるんだけど、質疑で時間押したらごめんね。」
「大丈夫だよ、お仕事だもん。しっかり頑張ってきてね。」
ちいさなパンくずが、小夜の口元についている。
さらりと払うと、俺は立ち上がった。
「おう、頑張るよ。・・・じゃあ、途中でごめん、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
小夜はまだ食べていたが、11時40分になっている。
配布物の確認もしたかった俺は、後ろ髪を引かれながら会場へ向かった。
------------※ ※ ※------------
風見さんのお仕事って、カッコイイなぁ。
出張、会議、打合せ。
おれも胸を張って社会人です!って言えるようになりたい。
小夜は うっとりと足早に歩いていく恋人の背中を見ていた。
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