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282 2018年9月21日
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腹が減って目が覚めた。
パチッと目を開けると見慣れない天井で、俺に抱きついて眠る温かい恋人の体温に、ホッと息を吐いた。
・・・そっか、札幌か。
そういえば昨日の夜は、何も食べずに寝てしまった。
いや、正確にいうとブランチの後は水分しかとっていない。
時計をみると、7時。
朝メシの時間だった。
小夜の頬をそっと撫でた。
すべすべとしたヒゲの生えないこの頬は、まるで女の子の頬のようだった。
化粧をしたことのない肌はくすみもなく、弾力がある。
眺めていると、長い睫毛が揺れだした。
「さーや、おはよう。・・・小夜?」
「・・・ん、おはよ。ゴホッ」
「喉、カッスカスだね。待ってて、お水持ってくる。」
起き上がり、テーブルに水を取りに行った。
「ごめんね、大丈夫?」
蓋を開けて、背中を起こしてあげ、ペットボトルを渡した。
ごくごくと飲む口から水が溢れて顎を伝い、白い肌へと滴るそれは、とても朝陽が写ってとても綺麗だ。
「ぷはっ・・・、落ち着いた。」
溢れた水を拭ってあげると、頭を撫でた。
「起きれそう?」
「うん、お腹ペッコペコ!」
「ハハッ!じゃあ、風呂に入ってからメシに行こう!」
朝食はバイキングだというと、小夜は嬉しそうに笑った。
------------※ ※ ※------------
「さて、小夜くん。」
「はい、先生。」
たらふく食べて、部屋にコーヒーをテイクアウトした上で、重いお腹を労るためにベッドにゴロンと横になった。
「お腹が膨れた今、我々がやるべきことは何かな?」
向かい合ってそう聞くと、小夜の目が輝いた。
「それは観光かと思われます。」
ピシッと敬礼する小夜に命令した。
「では、小夜くん。スーツケースからガイドブックを持ってきなさい。」
「イエッサー!」
俺たちの素敵な一日の始まりだ。
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