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293 2018年9月22日
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・・・そんなわけで。
抱き潰した結果といえば、最終日はレイトチェックアウトという選択を選ばざるを得ないわけで。
「うー・・・。」
せっかくのバイキングも食べに行けれずに、小夜は涙をのんだ。
「ごめんー。小夜、許して?」
「暁さんのバカーッ。ぐすん。」
悲しい。
「ついつい可愛かったから。ついつい挿入(い)れちゃった。」
「ついつい挿入(い)れちゃった。じゃ、なーい!」
ぷりぷり。
ぷりぷり。
「はぁ・・・。腰が痛い。」
「姫、お腰をお揉みいたしましょう。」
自分の腰じゃないみたいに、酷く痛んだ。
「しっかりと揉みたまえ。」
「ハッ、喜んで。」
風見さんに腰を揉んでもらって、うとうとして。
起きたら、ようやくひとりでも動けるようになった。
「暁さん、お腹すいた。」
「よし、美味いもの食いにいこう!」
風見さんがキラッキラの笑顔で言った。
「時間的に そのまま空港に行く感じ?」
「だな、お土産は空港で買おう。」
「うん。」
えっちらおっちら、いつもの速度から5割減で歩いていく。見かねた風見さんがタクシーに乗せてくれて、札幌駅に隣接するビルのラーメン共和国に行った。
「おいしーねぇ。」
「うまいなぁー!」
北海道内の名のあるラーメン屋さんが集合したその共和国で、吟味に吟味してひとつの店に入って出た感想だ。
「さー、思い残すことはないかなー?」
「うん!北海道、堪能したー!!」
ふたりで手を繋いで、札幌駅へ向かう。
次は空港、いざ羽田!
我が家まで4時間半から5時間程度。
夢の旅は一旦終了で、明日からはいつもの日常が始まる。
次の旅行まで手繋ぎデートは出来ないけれど、朝起きて夜寝るまで一緒にいることが出来るから、それでいい。
雨の痕跡の残った道を、ゆっくりと歩いていく。
「暁さん。」
「んー?」
「素敵な旅行をありがとう。」
「ふふ、姫が喜んでくれているなら俺も満足。」
ギュッと手を握ってついていく。
大好きな風見さんと一緒に歩いて行きながら、そっとお揃いのネックレスに手を触れた。
不滅の愛。
おれたちふたりにはピッタリの言葉だと思う。
病めるときも、健やかなるときも。じゃないけど、おれたちの心はお互いが持っている。
「ふふ、楽しかった。」
「だな。次は足を伸ばして旭山動物園へ行こうぜ。」
「うん!」
さあ、空港でお土産を買って帰ろう。
火曜からの仕事を思い浮かべながら、ふたりは帰路につくのだった。
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