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三笠商事の会議室で大山会計の営業と技術者、我々からも技術を2人連れて顔合わせを行った。
エドワードは相変わらずの心の内が読めない笑顔を見せて「よろしくね」と言って席を外した。
技術者同士は、以前リレーションした時に会っていたらしく、友好的な感じだ。
大山の営業と今回の変更について打ち合わせし、必要な手が発生した場合の金額について取り決めをおこなった。
ここからは技術者の仕事だ。
重ねて協力をお願いしてから、退出し、エドワードに面会を求めた。
「少シ日焼ケシタネ。」
「そうかもしれません。休暇をいただいて羽根を伸ばしてきましたので。」
「恋人トカイ?焼ケルネ。」
笑顔で話をしながら、肩を竦めた。
「お戯れを。」
「デ、大山会計トノ顔合ワセノ礼ナラ、サッキ聞イタヨ。」
悪戯っぽく笑うエドワードは、若々しい。
「今回はお願いに伺いました。」
「何?一緒ニ来ルッテ話カイ?」
「シンガポールでのサービス導入の確約をいただきに。」
エドワードは、片眉を上げた。
「マダ、就任シテイナイノニ?」
「あなたは約束は守ってくださいます。売り上げも確実に伸ばすでしょう。それを見越してのお願いです。」
青い目を眇めて、試すような顔をした。
「・・・タダデハ帰サナイヨ。」
「お戯れを。無理強いはしない人です。もっと強引なら、私はあなたの前から消えていたでしょうから。」
エドワードが堪らずに吹き出した。
「ハハッ、君ハ面白イネ。悪イ男ナラドウスルンダイ?」
「その時は自分の人を見る目が甘かったと反省するだけですよ。だが・・・あなたは信頼して、心を預けても大丈夫だと思いたいのです。」
エドワードの瞳が揺れた。
そして、彼は静かに目を閉じた。
「君ハ眩シイヨ。何故、ワタシノモノニナラナイ?」
エドワードの強い光を放つ瞳が、俺を貫いた。
「・・・。」
「シカタナイ、来年6月カラ詳シク話ヲ進メヨウ。シンガポールデ会ウヨ。」
「有難うございます。」
名刺の裏にアドレスを書いてくれたエドワードに頭を下げた。
これは、会社のアドレスは使用できない。
個人アドレスに送るようにと言う指示だ。
「全て、ここに。」
「I'm counting on you. 」
(頼むよ)
席を辞した。
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