アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
まふそら×さかうら〜絶対に忘れないから。〜 3
-
坂田side
「はぁ…何で忘れもんなんかするんだよ…」
「うらたさんごめんってぇ…」
夜道を歩きながら、俺はうらたさんに謝る。
1時間ほど前、まふの家を出て、まだ時間があったので、俺の家で遊んでいたのだが…
忘れ物に気付き、騒いでいると、
「うるせぇな、取りに行けば良いだろ」
「でも、もう夜遅いし…」
「俺も一緒に行ってやるから」
「えぇ!?うらたさん、帰れなくなりますよ?」
「お前の家に泊まる」
「はあぁ!?」
「…だめなのかよ」
むすっとした顔で聞かれ、言葉に詰まる。
「いや、そんなことは…」
「じゃあ行くぞ」
という訳で、今こうして歩いている。
「そもそも、うらたさんが行くって言ったんじゃ…」
「…うるせぇ」
なるほど、そこは忘れてほしいのか…
少し赤くなったうらたさんを見て、可愛いなぁと思っていると、ぽつぽつと雨が降ってきた。
「あれ?」
いつも持っている折りたたみ傘が見つからず、慌てていると、うらたさんにぽかんと殴られた。
「ばーか、折りたたみ傘も一緒に忘れてきたんじゃなかったのかよ」
「あ、そうだった…」
置いてきたバッグと一緒に忘れたことを思い出し、肩を落としていると、目の前に折りたたみ傘が差し出された。
「え?」
「…なんだよ、お前の方が背高いんだからお前が持てよ」
「あ、はい…」
俺はうらたさんの折りたたみ傘を開き、自分とうらたさんを傘の中に入れる。
「なんか、カップルみたいやな…」
「……」
てっきり言い返すと思っていた俺は、拍子抜けしてうらたさんの顔を見る。
その顔は、赤く染まっていた。
「…なに、ジロジロ見てんだよ」
「いや、なんでも……うらたさんは、好きな人とかいるん?」
赤い顔で上目遣いでじろりと睨まれ、答えられなくなったので、話題を変える。
「急だな…そう言う坂田はどうなの」
「うーん…うらたさんが一番知ってる人かな」
そう言ってにこりと笑うと、うらたさんは驚いたようにこっちを見た後、少し悲しげに俯いた。
「うらたさん?」
「…なんでもない」
「俺はうらたさんが好きなんだけど」、そんな言葉を飲み込み、うらたさんに身を寄せて歩いた。
しばらく歩いていると、突然うらたさんが目を見開き、走り出した。
「ちょっ、うらさん!?」
俺は、うらたさんが傘を出るすんでのところでうらたさんを抱きしめ、引き寄せる。
「なっ…!さ、坂田!早く!」
うらたさんに急かされ、走ると、道路で倒れ込んでいる人が見えた。
それは、他でもない、そらるさんだった。
「そらるさん、そらるさん!」
「ん…うらたくん?さか、た?」
「そうですよ!そらるさん!大丈夫ですか!」
「…坂田、お前の家に運ぼう」
「分かりました!」
ずぶ濡れのそらるさんをおぶって歩きながら、俺はそらるさんとまふの間に
何かあったことを感じ取っていた。
それはうらたさんも同じだったようで、家に着くなり、
「俺、まふに電話してくるから。そらるさん、よろしく」
と言ってリビングに入っていった。
俺は、そらるさんの髪や体を拭き、俺の服を着せて、寝室のベッドに運ぶ。
寝かせようとすると、
「ま、ふ…」
「…そらるさん、俺はさか…ってえぇぇ!?ちょちょちょ、ちょっと待っ…」
「まふ、ごめ…ん、ずっと、好き…だか、ら…嫌いに、ならないで…」
そらるさんは俺を抱きしめ、涙を流しながらそう言って眠ってしまった。
「何が、あったんだ…」
俺は指でそらるさんの涙を拭いながら、つぶやく。
しかし、このままだとまずい。うらたさんに誤解されてしまう。
「坂田ー?入るぞー」
「えっ、ちょっ、待っ…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 78