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まふそら×さかうら〜絶対に忘れないから。〜 6
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そらるside
ガチャリ…
ドアを開ける音がして、ふと俺は目を開ける。
あれ、俺、どこに居るんだ…?
まふの家を出て、雨が降ってきて、それで…
「あっ、そらるさん!大丈夫ですか?」
「そらるさん…!」
「うらたくん…?坂田…?」
「そらるさん、雨の中、歩道で倒れてたんですよ」
「え…」
坂田の答えに、俺は思い出した。そうだ、俺、倒れて、2人に助けられたんだ。
「…まふから全部、聞いた」
うらたくんが、ぽつり、とつぶやく。そして、
「まふは、どんなまふでも、どんなそらるさんでも、そらるさんのことが好きだと思う」
坂田が、俺の目を見て、そう言ったのだ。
俺は目を見張る。
ーーー僕は、どんな僕でも、どんな貴方でも、貴方のことを愛しています!!!
まふの声が、姿が、温もりが、蘇る。
「えっ、ちょっ、そらるさん!?」
「はは…」
他の人にも、言われるなんて。
「そんなの、信じられない訳ない…」
そう言って、笑いながら涙を流す俺を見て、うらたくんと坂田は顔を見合わせた。
「…もう、大丈夫。ありがとう」
「…こちらこそ」
うらたくんが、少し顔を赤くして言う。…ん?
「なんで?」
「いや〜これは、またまふが居るときに!」
坂田は満面の笑みで答える。
「さっ、坂田!…俺らは、リビングに居るんで。好きにどうぞ」
「ここ、俺の家なんだけどぉ!?」
少し言い合いながら、2人は寝室を後にする。
それから少しして、インターホンが鳴った。
俺はゆっくりと立ち上がり、玄関へ向かう。
ドアの前で、1つ、深呼吸をする。
そして、ゆっくりとドアを開けた。
そのときの俺の顔は、どんな顔だったか分からない。
けど、多分、泣き出しそうで、それでも笑顔だったと思う。
俺の前に立つ、まふと同じように。
気付いたら、お互いがお互いを、抱きしめていた。
ただ、何も言うことはなく、お互いを、2度と手放すまいと。
「まふ」
「はい、そらるさん」
「信じられなくて、ごめん」
「僕も、引き止められなくて、ごめんなさい」
「でも、それ以上に、さ」
「はい…」
少し、言うのをためらう。
でも言うべきだから、俺は、まふを見上げて、目を見る。
まふも、俺のことを見てくれていた。
「まふのこと、好きだった」
「…っ僕も…そらるさんのことが、好きです…!」
「…知ってる」
カァッとまふの頬が赤く染まる。多分、俺の顔はもっと赤い。
「そらる、さん…」
まふに、キスをされる。これまで、俺が怖くてできなかった、深いキス。
「ん、ま、ふ…」
「なん、ですか…」
「あい、してる…」
「っ、目見て、言って」
「…愛してる」
まふは、その答えの代わりに、もう1度、同じキスをする。
「んっ…あ、う…ま、ふぅ…」
「…僕も、愛してますよ」
「ん…」
俺は、目を開ける。
すると、まふは、ふわりと笑う。そして、ふっと目を閉じて、後ろに倒れそうになった。
「えっ…ま、ふ!?」
俺は、ぎりぎりのところでまふを支える。
「あれ、そらるさん…どうしたんですか?しかもここ、さかたんの家の前…今、何時ですか?」
「え…」
涙が溢れそうになるのを、堪える。
けど、それは無理だったみたいだ。
「そらるさん、なんで泣いて…」
「…ごめんな」
俺は、そう言うことしかできなかった。
「…そらるさん、顔、上げて」
「な、に……っ」
まふにキスをされ、驚いてまふを見る。
「バカ、忘れてないですよ…忘れる訳、ないじゃないですか」
そう言って、まふはもう1度、ふわりと笑った。
「い''っ!?」
俺は、自分でもびっくりする程すごい勢いで、まふに抱きついた。
「ば、か…」
そう言うと、まふは俺の頭をなでてくれた。
「ごめんなさい、ちょっとだけ、意地悪したくなりました」
「ばか…」
「キスするから、許してください、ね?」
「…わかった」
これで納得してしまう俺も、どうかと思うけれど。
今の俺には、十分過ぎるかもしれない。
「あ、ふ…んぅ…あ、ぁ…」
自分ではあり得ないくらいの、甘い声と息が漏れる。
「かわいい」
「なっ…ん、何回、するの…」
俺の顔は、限度が無いのかと思うほど、赤くなっていく。
「じゃあ、あと1回にする?」
少し、意地悪そうな顔で、まふは俺に問う。
「やだ…」
「わがままだなぁ、じゃあ、」
「これからも、ずっと、ね?」
「…すき」
「僕も、好きですよ」
ぎゅーっとお互いを抱きしめる。
「でも一旦、うらたさんとさかたんに、お礼言わなきゃ」
「そう、だね」
無意識ながら、俺は少し悲しげな声になっていた。
「んーーっもう!あと1回だけ!」
もう1度キスをされ、今更ながら玄関だということに気付く。
俺たちは、うらたくんと坂田の居るリビングに向かった。
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