アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
愛してる。last
-
そらるside
ノートを元の場所に戻した所で、ガチャリと扉が開く。
「っ、そらるさん!こんな所に居たんですか…」
駆け込んで来たまふは、心底安心した、という顔をしていた。
「あのさ、まふ」
「は、はい」
「今、幸せじゃ、なかったでしょ」
自分で言うのもおこがましいかもしれないが。
まふは、目を丸くし、少し目を逸らしてから、小さく頷いた。
「だって、そらるさんが居なくなったから…」
「それは、ごめん」
「けど、俺とまふはずっと一緒だよ」
もう一度目を丸くする。
「…それ、読んだんですか」
「うん、いろはが連れてきてくれて」
俺が少し笑って言うと、まふも少し笑った。
「…僕は、こんな僕が嫌いです」
「幸せな未来を、想像できやしない」
「今は幸せなのに、もし、僕のせいで何かあったら」
「みんなが居なくなったら」
「…そらるさんが、死んじゃったら」
顔を歪めて、苦しそうに話す。
「つい、そう考えちゃって」
「馬鹿ですよね」
「……好きです、そらるさん。どうしようも、ないくらいには。僕、そらるさん無しじゃ生きてけません」
まふは、へにゃりと悲しげに笑った。
俺が、まふと出会った時、まふは、心も体も目が当てられないくらい、ボロボロで。
だから、俺はあの時、思ったんだ。言ったんだ。
「まふは俺が守るから、大丈夫」
じゃあ、ここでやるべき事は。
「そらる、さん…?い、痛い痛い……」
力いっぱい、まふを抱き締める。苦笑いしている、まふが見えた気がする。
「ど、どうしたんですか」
「……好きだよ、まふ」
「ずっと、一緒だから」
「離れたりなんかしない」
それに、俺だって。
「…まふが居ないと、生きてけないから」
ぎゅーっと抱き締められる。
「そらるさん」
「うん」
「大好きです」
「俺も」
「まふ」
愛してる。
fin.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 78