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ショコラの種類
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「兎に角、今日のは次回で挽回するしかない」
瑠衣は次回につなげた。
翌日、早めに出勤。
前日。
「Bonsoir,monsieur Anglade. Je suis Louis.」
(ボンソワール、ムッシュ・アングラード。ルイです)
瑠衣はディミトリに電話を入れていた。
商品チェックと場所をしっかりと把握しておきたい、といい、早くから店を開けてもらえないか、と駄目もとで頼んでいた。
「ここが、アミアンのマカロン、隣はナンシー地区のマカロン、コンフィチュール・・・」
兎に角、商品が多い。
「ボンジュール、ルイ。今日は早いな」
「ボンジュール、リュカ。商品のありかをチェックしているんだ」
「仕事を覚えるには、自分で買って食べることだ。これが、近道と言っていいだろう」
その日の瑠衣は落ち着いて接客ができた。
「Bonjour」
「Merci」
忙しい時間は、瑠衣にとって流石に厄介。
だけど、落ち着いて、なんとか、接客を乗り越えた。
「リュカ?ショコラの数、多いよね?」
「ここは、それでも少ないほうだ。専門店や老舗のショコラトリーになってくると、種類が半端ではない。場所によっては、100はある、と言ってよいだろう」
リュカは生き生きと目を輝かせながら・・・
「タブレット・ショコラ(板チョコ)、ボンボンショコラ、ジャンドゥーヤ、ガナッシュ、バレ・オ・ドール(ナッツやドライフルーツのトッピングしたショコラ)、フロランタン、オランジェット、トリュフ、グリオット・・・兎に角、数が多いな。リヨンのクリュゼになってくると、100はあるだろうな」
【クリュゼ】
リヨンの老舗ショコラトリー。第二次世界大戦後に創業。
初代創業者はジャン・クリュゼ。
二代目オーナーはミシェル・クリュゼ。ミシェルには、息子が二人いる。
クリュゼの一日は、早朝から。
カカオ豆の焙煎からスタートする。
「ムッシュ・ショコラ」、の異名をとっていた。
「Merci!」
瑠衣は買い物客を見送った。
どうやら、区切りがついたようだ。
このあと、瑠衣は厨房に戻らなければいけない。
雑用が待っている。
厨房では、リュカがショコラの試食をしている。
味の確認だ。
「今日も、ボンボンとグリオット、美味しく仕上がっているな。これで、シャンパンがあれば最高だ」
しかし、ディミトリは容赦なく、リュカを凄む。
「リュカ?仕事中におやつとは結構な身分だな?」
「すみません、オーナー!ショコラだって美味しいものを売りたいじゃないですか!?」
就業時間終了後・・・
瑠衣とリュカはロッカールームで一緒になった。
「ルイ、頑張ったご褒美だ」
ショコラの包みを貰った。
瑠衣は早速、ショコラを口に運ぶ。すーっと滑らかに溶けていく感じがする。
「C'est bon!!」
「ルイ!ロッカールームでの飲食は衛生上駄目だ、って言っているだろう!?」
ディミトリの怒声は容赦ない。
「ごめんなさあぁ~い!!!」
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