アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
☆Ganache~ルセット
-
Ganache(ガナッシュ)とは、チョコレートの一種で、チョコレートを生クリームやバター、牛乳、洋酒などと混ぜ合わせ、用途に応じて硬さを調整したチョコレートクリームのことをさす。
生クリームといった水分がとても多いため、日持ちはしづらい。
主にトリュフ、ショコラを使ったガトー(フランボワーズショコラ、オペラなど)に使われることがある。
由来は、顎という意味合い。また、「間抜け」と言われる。
「見習いパティシエが間違えて沸騰した牛乳をチョコに加えてしまったのを店主が叱責したことが由来なんだ。俺もよくやっちまうんだが・・・」
リュカは苦笑いをする。
瑠衣はメモを取っている。
だけど、ほどほどにしなければ、自分の仕事で後れを取りかねない。当然のことながら、ロベールからの叱責が容赦ない。
「手が留守のようだが?」
「おまえは特に気を付けたほうがいい」
ダヴィッドは冷静沈着だ。
「?」
「リュカは特にそそっかしい。過去に、クレーム・パティシエール(カスタードクリーム)を仕込む際、誤ってショコラを落としたりしただろう?おまけに、フロマージュブランの生地によく入れる・・・父によく怒鳴られていただろう。それを幾度か見ていた俺も命を縮められているが」
「酷いぞ、ダヴィッド!」
また、フランス南西部ganacherという場所が、ぬかるみを苦労して歩くという地名に意味があり、それがガナッシュの柔らかさなどに例えられたことも由来している。
1:キャセロール(鍋)に生クリームを沸騰させる。
「ここがポイントだ」
2:刻んだクーヴェルチュールに加える。そのあとはしばらくの間放置する。
「混ぜる回数は極力増やさないこと。味に左右されるぞ」
3:スパチュラ(ゴムベラ)でなじませるように混ぜる。そして、グランマルニエを加える。
「ある程度の保存性が効くんだ」
4:パッソワール(裏ごしの器具のひとつ)にガナッシュを通して裏ごしする。その際、ゴムベラを使う。
5:予め、殺菌していた13cmの丸口金を用意。
6:プラックに紙を敷いて、絞っていく。
7:傍らに氷水の入ったボールを用意したうえで、手早く6を丸めていく。
8:あらかじめ用意済みのショコラを少し温める(テンパリング済み)。
「間違っても、絶対に、ショコラに水が入らないように要注意だ」(警告)
9:プレコート(膜つけ)。手にも少しショコラをつける。
10:トランペ串(丸)に仕上げたガナッシュをのせて、クーヴェルチュールをくぐらせる。
「ガンガンさせないように。ゴムベラの上で軽くノックする感じで」
11:ココアパウダーを乾かないうちにまぶして完成。
「日本の生チョコ感覚だね。ノワールコーヒーとストレートティーがよく合う」
瑠衣は言う。
「ノワールコーヒーはマストアイテムだが、シャンパンやワインも外せない」
何かにつけてシャンパンと言ってのけるリュカやダヴィッド。
流石はお国柄、と言わんばかりだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
74 / 644