アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
親権を奪い返した背景~心の闇
-
『おまえ・・・なんてことしてくれたんだ!?』
『関係のないロイクに殴られる筋合いないわ』
怒り心頭のロイクに逆切れをするマティルダ。
最早、聞く耳持たない。それどころか、新しい男を使って、ロイクに殴りかかろうとする。
ロイクは逆にその男を容赦なく殴打した。
『おまえと違い、俺は心は腐っていない』
即日、ロイクは母親アレクサンドラに暫く預けることにした。
オラスにとって祖母でもある。
そして・・・
ロイクが親権を奪い返して一か月以上の月日が過ぎたとき。
「・・・マティルダが・・・?」
たくさんのショコラを買っていったが、マティルダは甘いものは嫌いなはず。
どうして?甘いもの嫌いなのに?誰に渡すのだろう・・・。
マティルダは懲りずに新しい男と遊び歩いている、という。
後日、マルセルはサン=ドニへ出向いていた。
仕事帰りのとき、サン=ドニ大聖堂近辺のショコラトリーに足を運んだ。
最近できた場所だ。
そこのショコラトリーも客足が途絶えることはない。
「マルセル?」
「マティルダ?」
マティルダは媚を売りながら、マルセルに近づいてくる。
「あなた、ディディエ・メンディーの末裔ですって?でも、あの革命の大天使と寝たことで有名でしょう?生涯独身を通していたけれど?」
「違う。クロエとルイ・アントワーヌの父親だった」
「そうなの?ううん。そんなことはどうでもいいわ。それよりも、これ、あげるわ」
マルセルは突如、寒気がしてきた。
「Non merci」
マルセルはその場を去ろうとした。
「待って!」
マルセルはマティルダを振り切ってその場を去っていった。
マルセルは危険を感じたのだろう。
ダヴィッドたちに相談をして、マティルダとの接触を避けなければいけない。
「Bonjour」
後日、マティルダはいつもの媚を売りながらやって来た。
瑠衣は気分を悪そうにしながら、なんとか、笑顔で接客をこなしていた。
「マルセルは?」
「彼はもう、帰ったよ」
その場を上手に取り繕った。
「そう」
マティルダは諦めて店を出て行った。
来る日も来る日もマティルダは店にやってくるが、無視を続けたマルセル。
まもなく、マティルダは麻薬所持の容疑で逮捕された。
オラスへの虐待などで執行猶予がついていたが、懲役刑が課せられた、とのこと。
「これで、オラスに魔の手が忍び寄らないだろう」
数日後。
ニコラが女性の部下を連れてコンコルドにやってきた。
「彼女は僕の部下のテレーズだ」
「はじめまして、ルイ・トウドウです」
「はじめまして、ルイ」
瑠衣は二人に会釈を済ませ、その場をマルセルにまわした。
テレーズはグレーのパンツスーツを粋に着こなしていた。
「ルイ、ここは僕に任せて」
瑠衣はマルセルに接客を交代して、厨房に戻った。
その夜。
マルセルとサーシャから驚くべきことを告げられた瑠衣たち。
「苛烈すぎる家庭環境だった。マティルダの幼少期は、ごく普通の女の子だった。父親は将来有望のM.O.F候補者の料理人だったの。けれど、陰謀により、その夢は木端微塵に打ち砕かれた。父親は絶望の果て、自殺。彼女の母親の再婚相手はDV男。マティルダは性的虐待を受けて育ったほど。心の傷はかなりのものだった・・・今後、マティルダは贖罪の道を探っていくと思う」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 636